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  1. 上田市議会 2018-11-28
    12月04日-一般質問-03号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    平成30年 12月 定例会(第4回)議事日程 第 1 一般質問   (1)市政について   (2)多様性が尊重され、一人ひとりの人権が大切にされる上田市に向けた取り組みについて   (3)市政について   (4)市政について   (5)学校教育について   (6)市政について   (7)市政について   (8)市政について   (9)市政について   (10)外国籍市民とともに歩む多文化共生の推進について   (11)市政について   (12)市営住宅について   (13)市民の声を生かす行政システムについて   (14)市政について                                              本日の会議に付した事件 日程第1(1)から(7)まで                                              出席議員(30名)    1番   石  合  祐  太  君     2番   斉  藤  達  也  君    3番   金  井  清  一  君     4番   中  村  悠  基  君    5番   松  尾     卓  君     6番   成  瀬     拓  君    7番   齊  藤  加 代 美  君     8番   井  澤     毅  君    9番   林     和  明  君    10番   佐  藤  論  征  君   11番   金  子  和  夫  君    12番   原     栄  一  君   13番   宮  下  省  二  君    14番   飯  島  伴  典  君   15番   山  田  英  喜  君    16番   金  沢  広  美  君   17番   古  市  順  子  君    18番   小 坂 井  二  郎  君   19番   土  屋  勝  浩  君    20番   松  山  賢 太 郎  君   21番   西  沢  逸  郎  君    22番   尾  島     勝  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   池  田  総 一 郎  君    26番   南  波  清  吾  君   27番   池  上  喜 美 子  君    28番   半  田  大  介  君   29番   久 保 田  由  夫  君    30番   渡  辺  正  博  君                                              説明のため出席した者     市    長   土   屋   陽   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     秘 書 課 長   北   沢   健   治   君     政策企画部長   柳   原       渉   君     総 務 部 長   神   代   芳   樹   君     行政管理課長   海   瀬   寿 美 男   君     財 政 部 長   山   口   武   敏   君     財 政 課 長   倉   島   弘   一   君     市民参加協働   小 宮 山       剛   君     部    長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   近   藤   聖   一   君     福祉事務所長     健 康 こども   小   林   一   彦   君     未 来 部 長     商工観光部長   大   矢   義   博   君     農 林 部 長   中   澤   勝   仁   君     都市建設部長   翠   川       潔   君     消 防 部 長   松   井   正   史   君     丸子地域自治   手   塚       明   君     セ ン ター長     真田地域自治   山   宮   正   久   君     セ ン ター長     武石地域自治   石   井       淳   君     セ ン ター長     会 計 管理者   山   﨑   完   爾   君     上下水道局長   竹   花   国   雄   君     教  育  長   峯   村   秀   則   君     教 育 次 長   中   村   栄   孝   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   金   井   浩   一   君     事 務 局次長   中   村       史   君     議会担当係長   星   野   陽   一   君     主    査   鈴   木   康   平   君     主    査   徳   永   頼   信   君     主    任   福   澤   雄   史   君          午前 9時30分   開議 ○議長(小林隆利君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 一般質問(1)市政について ○議長(小林隆利君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第9号、市政について、西沢議員の質問を許します。西沢議員。          〔21番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆21番(西沢逸郎君) おはようございます。外は師走というのに季節外れの陽気ではありますが、通告に従い資源循環型施設について質問をしてまいります。 平成30年3月に策定されました上田市ごみ減量アクションプランには、新たに建設を予定する資源循環型施設は自然環境への負荷を可能な限り低減するとともに、将来において減少が見込まれる当地域の人口を見据えた公共施設マネジメントの観点から、上田クリーンセンター丸子クリーンセンター、東御市の東部クリーンセンターの3つの施設を1つに統合した上で、よりコンパクトな施設として建設する計画とあります。これは公共施設の総量縮減の取り組みでもあり、職員定数の削減の取り組みでもあります。 そこで、地域住民の皆様からの意見、疑問、声をもとにこの統合クリーンセンター、すなわち資源循環型施設に関連して7点質問をしてまいります。 第1に、施設建設候補地の清浄園並びに西側に隣接する秋和の上田終末処理場も含めて、平成9年の清浄園建設以降環境被害等は発生しているのか、まずお聞きいたします。 第2に、現施設建設計画は平成9年に全面改築した清浄園を解体して、その用地を建設候補地としておりますが、上田地域広域連合はなぜこの場所を建設候補地の適地であると判断されたのか、市の見解をお尋ねいたします。 第3に、地域住民の皆様の率直な声として、今の上田クリーンセンターが稼働して32年間が経過、新しい施設ができるのに7年から8年がかかり、その施設も30年から40年稼働するとなりますと、ごみ処理施設が比較的近いところに約80年前後稼働することとなり、半径2キロメートル圏内に同一施設が存在し、その施設から発生する有害物質による次の世代、子孫への健康被害を心配する声を聞きますが、住民の皆様の安心、安全の観点からこのことに対する市の見解を伺います。 第4に、約4年はかかる環境影響評価において、この評価を実施することによって清浄園用地が適地かどうかの判断をする材料の一つにすると聞きますが、環境影響評価の目的と今後の進め方はどうか、お聞きいたします。 第5に、10月に開催されました上田地域広域連合議会定例会において、土屋連合長はその挨拶において、住民意見を反映した計画を構想段階からつくり上げるため、学識経験者も交えて協議を行う新たな組織を設立することを説明され、11月28日に初会合が開かれましたが、安心、安全の計画づくりには当委員会や施設建設に反対の皆さんも積極的にご参加いただいて議論、意見交換をすることが重要、肝要と考えますが、市の見解を伺います。 第6に、西部地域の住民の皆様から大変身近な重要な問題として、資源循環型施設建設についての説明会開催を希望する声を聞きますが、市は西部地域の皆さんを対象にした説明会を開催する考えがあるかどうか、お尋ねいたします。 第7に、松本クリーンセンターではごみを燃やして、その熱源を利用して温水プール施設の運営をし、市民の皆様の健康増進に役立てて、さらに余った電力を売電して年間2億5,000万円から3億円の収入を施設の維持管理に充てて施設の有効活用をしていると聞きましたが、資源循環型施設でのごみの焼却によって発生する熱エネルギーを利用して発電し、建設候補地周辺の福祉施設やスポーツ施設などで電力を利用することや余剰電力を売電することも考えられます。また、昨日の同僚の斉藤達也議員さんの公共施設の総量縮減の質問がございましたが、資源循環型施設そのものに他の公共施設を加えて複合化することも十分考えられます。これらにつきまして、県内、全国の状況、先進事例等はどうかお聞きし、私の第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) おはようございます。資源循環型施設建設について7点ご質問いただきました。 最初に、清浄園と上田終末処理場による環境被害は発生しているかのご質問であります。し尿処理施設の清浄園と公共下水道の上田終末処理場は、昭和58年に地元自治会と結んだ公害防止に関する協定書に基づき、施設からの放流水の水質測定、敷地内での臭気測定、また焼却炉からのばい煙測定等を定期的に実施し、その結果を施設の運転状況とあわせて地元自治会や耕作者の代表者などから成る公害防止連絡員会議において報告し、公害発生の防止に努めております。 清浄園については、平成9年に密閉式で臭気を外に出さない施設として建てかえております。一方、上田終末処理場は昭和47年に供用開始し、必要な修繕を重ね現在に至っております。両施設とも臭気については細心の注意を払っているところでありますが、過去には上田終末処理場において平成28年3月に脱水汚泥を運搬する機械設備の故障が原因で施設周辺において臭気を感じたと市民の方から通報を受けた事例がありました。また、環境被害とは別に、東日本大震災により福島第一原子力発電所が被災した影響から、東日本全域にわたり放射性物質が検出されたことにより、清浄園と上田終末処理場の両施設とも汚泥焼却灰を一時搬出できなくなる事態が発生いたしました。こうした臭気や汚泥の課題が生じた際には、公害防止連絡員会議を開催し、状況等を報告するとともに、適切に対応を行ってきたところであります。 過去においてこのような事例はありましたが、各施設においての定期的な臭気、水質、土壌などの測定においては環境基準を下回る数値となっております。また、施設周辺での環境に関する情報や苦情が生活環境課に寄せられていないところでありますので、両施設による環境被害はないものと認識しております。 次に、清浄園用地を建設候補地に提案した理由につきましては、これまでも上田地域広域連合及び市が実施してきた対策連絡会との意見交換の場や地域での懇談会及び説明会において次のとおりご説明をしてまいりました。まず、清浄園用地は適切な施設配置ができる面積、形状を持った土地であり、用地買収が不要な公共用地であります。資源循環型施設建設には約2ヘクタールの面積が必要となりますが、これが確保でき、清浄園として造成済みの敷地であることから、土地取得費、造成費が軽減できます。次に、施設運営上不可欠な地下水の確保が容易であります。ダイオキシン類の再合成を防ぐため、ごみを焼却した際に発生する排ガスを急速に冷却する必要があります。その冷却のために大量の水が必要となりますが、現在も清浄園で使用している地下水があるため、冷却水の確保が容易であります。また、幹線道路が周辺に整備され、収集運搬効率がすぐれています。清浄園周辺では古舟橋、上田大橋、国道18号、国道18号バイパス、千曲川堤防道路などの幹線道路が整備されており、搬入ルートとして使用することが可能です。 さらに、現在の清浄園は平成9年に全面更新し、稼働を開始してから20年以上が経過しました。設備の老朽化が進み、大規模改修が必要となっていることに加え、公共下水道の普及等によりましてし尿等の処理量が大幅に減少していることから、施設の更新等が必要となっています。このため、上田市では全国的にも採用する都市がふえているし尿等を公共下水道と一体的に処理を行う計画であり、し尿前処理下水道投入施設の建設について、南部終末処理場の地元である下之条自治会と協議をしております。また、東御市、長和町及び青木村においてもそれぞれの市町村で施設を整備し、既にし尿処理を開始しております。 以上から清浄園は廃止の上取り壊し、資源循環型施設を建設する計画としております。 ほかにも都市計画上の用途地域が工業専用地域に指定されていること、埋蔵文化財、土砂災害の指定区域など土地利用上の制限が少ないこと、焼却エネルギーの有効活用についてさまざまな施策が可能となることが挙げられます。 今後も市といたしましては、上田地域広域連合と連携し、地域の皆様にご理解いただける施設の実現を目指し、丁寧に説明をしてまいります。 次に、健康被害を心配する意見についてでありますが、上田クリーンセンターでは排ガスについて、大気汚染防止法の規定に基づくばいじん、硫黄酸化物、塩化水素及び窒素酸化物の測定及びダイオキシン類対策特別措置法の規定に基づくダイオキシン類測定を計画的に実施しており、測定結果につきましては、いずれも国が定める排出基準値を大幅に下回る数値で推移しております。これに加えて、上田地域広域連合では地元の泉平自治会の皆様のご要望を受け、上田クリーンセンター周辺地域ダイオキシン類に関して、平成28年度には大気及び土壌を、平成29年度には土壌及び農作物をそれぞれ対象とする調査を一般財団法人日本気象協会へ委託して実施し、全てにおいて環境基準値以下であるとの結果を得ています。特に平成29年度の調査においては、ダイオキシン類の蓄積が心配される土壌について詳細な分析を行った結果、現在の上田クリーンセンターからの排ガスによる影響はほぼ認められないとの報告を受けております。 清浄園用地に計画している資源循環型施設におきましても、適正な管理運営と維持管理に努めるとともに、臭気や排ガス処理については最新鋭の設備を整備することにより、国の定める排出基準値を大幅に下回る厳しい自主規制値を定め、地元の皆様と公害防止協定を締結していく方針であります。 また、11月28日に設立、発足しました資源循環型施設検討委員会におきましても、公害防止を最重要課題として、地域住民と行政に専門家を交え、安全、安心な施設を目指して具体的な検討を進めていく予定であります。 以上から、市といたしましては、上田クリーンセンター及び資源循環型施設の周辺地域において、将来にわたって健康被害が生ずる懸念はないものと認識しております。 さらに、資源循環型施設の建設に関して、現地調査や環境への影響の予測評価を行う環境影響評価を実施することで、地域の皆様に科学的データをお示しし、安全、安心な施設としてご理解いただけるよう努めていくことが重要であると考えております。 次に、環境影響評価の目的と今後の進め方でありますが、環境影響評価ごみ焼却施設など大規模な開発事業を行う際、その事業が環境に及ぼす影響についてもあらかじめ科学的な調査、予測、評価を行うものであります。環境影響評価を実施することによりまして、十分に環境に配慮した施設整備を行うことを目的としております。地域住民の皆様には環境影響評価の実施にご了解いただくことが施設建設の同意となるものではありません。環境影響評価を実施した後には、地元の皆様に評価の結果をご説明した上で、施設建設についてご判断いただくことが重要であります。今後とも地域住民の皆様と丁寧に話し合いを行った上で、ご理解をいただいて、環境影響評価の実施に向けて上田地域広域連合と連携してまいりたいと考えております。 次に、新たな検討組織についてでありますが、資源循環型施設検討委員会では、事業の構想段階から地域住民が参加して学識経験を持った専門家及び行政とともに協議を行うことにより、地域住民の安全、安心を将来にわたって保障する計画をつくり上げること、また地域の発展に向けて資源循環型施設の建設を契機としたまちづくりのための計画について協議することを目的としております。こうした委員会の設立目的を考慮しますと、議員がご指摘されたとおり、周辺地域の自治会及び団体には全ての皆様にご参加をいただき、懸念や不安を含めてご意見をいただき、安全、安心を確立していくことが重要であります。なお、委員会設立に当たっては、諏訪部自治会及び下沖振興組合から参加の意向が示された場合は参加をいただきたいと考えております。市といたしましても、ぜひとも参加していただけるように今後も引き続き働きかけを行ってまいります。 次に、西部地域での説明会についてであります。資源循環型施設建設に関しては、これまで上田地域広域連合及び市では建設候補地である清浄園用地の周辺の地域住民の皆様のご理解をいただくことが重要であると考え、資源循環型施設建設対策連絡会の皆様との話し合いや、諏訪部地域住民の皆様との意見交換や情報提供を中心として取り組みを進めてまいりました。そうした中で、清浄園用地に近接する西部地域においても資源循環型施設建設への関心を寄せていただくことは大変ありがたいことと考えております。今後西部地域の皆様と協議をさせていただき、ご要望に応じて説明会や意見交換等の機会をぜひ設けてまいりたいと考えております。また、西部地域に限らず今後は全市においても機会を捉えて説明会等を開催し、幅広い情報提供を行ってまいりたいと考えております。 最後に、ごみ焼却施設熱エネルギーを利用した発電などの有効利用についてであります。近年廃棄物処理施設においては、廃棄物の適正処理の機能に加え、処理工程で得られるエネルギーを高効率で回収することにより有効利用することが大勢となっておりますので、具体的な事例を申し上げます。 埼玉県のふじみ野市・三芳町環境センターにおいては、売電のほか、地域の要望に応え水中ウオーキング用プールや浴室、多目的スペースを備えた幅広い年齢層を対象とした余熱利用施設を整備しております。また、資源循環型施設建設対策連絡会の皆様も視察された東京の武蔵野市クリーンセンターは、近接する市役所、総合体育館、コミュニティー施設中学校プールに蒸気や電力を供給し、防災拠点としての機能を持たせております。県内では長野広域連合が長野市大豆島に整備し、現在は試運転を行っているながの環境エネルギーセンターにおいては、売電のほか、隣接して室内プール等を備えた健康・レジャー施設サンマリーンながのを建てかえ整備し、余熱の有効利用を行っております。また、2022年度までを計画期間として本年6月に改定された国の廃棄物処理施設整備計画においては、地域に新たな価値を創出する廃棄物処理施設の整備が重点ポイントとして挙げられ、新たな施設整備においては地域課題の解決や地域活性化への貢献も求められております。 こうした観点を踏まえ、市といたしましても清浄園用地への資源循環型施設建設においては、周辺の地域振興に資する取り組みを同時に実施していくことが必要であると考えております。今後上田地域広域連合と連携し、地域住民の皆様のご意見を十分にお聞きして、新たな地域価値を創出するための施策を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 西沢議員。          〔21番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆21番(西沢逸郎君) おのおのご答弁いただきました。 最後に、現在上田地域広域連合長であり、上田市政のかじ取り役であり、相手の立場を重んじる、立場が違っても対話と議論を重んじる土屋陽一市長は、資源循環型施設の過去の経緯、すなわち統合クリーンセンターの用地は合併前の旧東部町の上川原工業団地内の理事者の一致した考え方から上田地域広域連合議会内に設置した統合ごみ処理施設建設予定地検討委員会が旧丸子町の神の倉工業団地内建設が望ましいと提言された平成15年3月から今日に至るまでその経緯を全て知り尽くして、議員、議長時代も含めますと大変多くの上田地域の住民の皆様の声を聞いてこられたと思いますが、その貴重な経験をどう生かし、今後どのような工程、道のりで在任中に腹を据えてこの最重要課題を解決されていかれるのかをお聞きし、私の一般質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) これまでの資源循環型施設建設候補地の選定経過について、ただいま西沢議員も指摘していただきましたように、私も承知しているところでありますが、これから将来に向かって着実にその歩みを進めていくことが大変重要だというふうに思っています。 市長就任以降私は清浄園用地での現計画に曲げることなく覚悟を持って取り組むとの決意を持って行動してまいりました。そうした取り組みにおいては私自身が地域に出向き、しっかりと皆様と向き合って時間をかけてお話しすることを大切にしてまいりました。現計画に対してさまざまなご意見をお持ちの皆様とお話ししましたが、資源循環型施設はなくてはならない必要な施設であるという点については、それぞれのお立場にかかわらず皆様ともに共通した認識をお持ちでありました。資源循環型施設建設対策連絡会の皆様ともそのような共通の認識を原点として話し合いを重ねてまいりました。その結果、資源循環型施設検討委員会を設立し、安全、安心な施設のあり方について協議を進めていく段階に至り、過日11月28日には第1回の会議が持たれたということであります。 同様に現計画に反対されている方々も資源循環型施設は市民にとって必要であるという認識は共通のものと考えておりますので、話し合いのテーブルについていただけるよう今後も働きかけを続けてまいります。議員におかれましてもご助力を切にお願いするものでございます。 市といたしましては、上田地域広域連合と連携をする上で、丁寧かつ着実に取り組みを進めて、資源循環型施設の早期建設を実現してまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 西沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前 9時57分   休憩                       ◇                                午前10時15分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)多様性が尊重され、一人ひとりの人権が大切にされる上田市に向けた取り組みについて ○議長(小林隆利君) 次に、質問第10号、多様性が尊重され、一人ひとりの人権が大切にされる上田市に向けた取り組みについて、石合議員の質問を許します。石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) 通告に従い順次質問してまいります。 まず、発達障害の方への支援について質問をさせていただきます。発達障害を持った子供はその育てづらさから虐待を受けるリスクが高いとも言われております。虐待を受けなくとも周囲が子供の発達障害を理解し、正しい知識を持って子育てを行わないと、何であなたはこんなことができないのなどと子供に言い続けることになりがちで、結果として子供はどんどん自信を失ってしまいます。また、学業の面では適切な学習環境でなければ発達障害児が授業をなかなか理解できず自信を失い、子供の成長に最も大切と言っていい自己肯定感も下がってしまいます。このような自己肯定感が低い状態で育った子供は、思春期や成人期になって精神疾患や薬物やアルコール依存症などになる傾向が高いとも言われます。 これまで発達障害に対する支援というと子供中心の支援という面があったと思いますが、大人にも発達障害は存在することが近年大きく注目されています。適切な支援が求められております。このことを問題意識の基本として、当市も発達障害の早期診断、療育、教育、就労、そして相談体制など、発達障害者に対する支援を強化することが必要と考え質問します。 昨日の金井議員の質問にもありましたが、子供で見れば虐待、いじめなど市としても人数の統計が発表されておりますが、統計上の増減があったとしても、実際に虐待やいじめが起きた件数ということだけではなく、問題意識の高まりや基準の見直しなどによって増減しているといったこともあるということでございました。そのため、発達障害児の人数の把握は、増減を確認するということよりも、人数の把握を通じて発達障害児やそのご家族と行政がつながることに意味があると考えます。また、はっきりと発達障害と断定することは困難でも、傾向がある方などグレーゾーンと呼ばれる方も多数いらっしゃいます。市としての発達障害児の把握状況、また把握に伴う課題を伺い、最初の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、発達障害のある児の人数について申し上げます。市で把握をしております数値といたしまして、まずは公立保育園及び幼稚園の平成30年4月現在の状況でありますが、発達障害の診断名のある園児と発達が気がかりな園児を合わせまして342人で、在園する園児の13.2%となっております。また、小中学校の状況について申し上げますと、平成30年9月の調査結果から、医療機関の診断あるいは専門機関の判定を受けている児童生徒と特別な支援が必要と思われる児童生徒を合わせますと1,563人で、全体に占める割合は12.7%となっております。 次に、発達障害のある方の把握についてでありますが、その人数については、固有の手帳制度がないこと、また発達障害の傾向があっても医療機関や相談機関にかかることなく自立した生活を送っていらっしゃる方もおいでになりますので、発達障害のある方の人数を正確に把握する方法は確立されておらず、この点が課題となっております。 発達障害は生まれ持っての脳の機能の偏りにより生活上の困難さが生じる障害でありますので、子供のときに発達障害とわからなくても、大人になって生活や仕事をしていく上でその特性が浮かび上がるといったこともございます。小中学生において一定の割合で発達障害のある児童生徒がいることに鑑みましても、全体として一定の割合の方が発達障害である、またその傾向があるものと認識いたしております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。 それでは、発達相談センターの実績と課題についてお聞きいたします。平成22年に上田市は発達相談センターを設置いたしました。この発達相談センターは、子供の相談場所がないことを受け立ち上げられた施設です。心理士、作業療法士、保健師、保育士、言語聴覚士による個別相談、ペアレントトレーニング、各種研修会の開催などの取り組みを重ねてこられました。コミュニケーションがうまくとれない、不器用、集団にうまく入れない、落ちつきがない、友達とのトラブルが多い、進路相談など、一人一人の段階に合わせた適切な相談、支援活動を行っていただいています。この発達相談センターの存在と活動の蓄積は極めて重要な上田市の財産であると認識をしております。 一方で、設置から一定の期間も経過していることから、さまざまな課題の掌握も必要と考えます。そこで、発達相談センターにおけるこれまでの利用実績と成果、またそこから見える課題についてお聞きいたします。
    ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 発達相談センターの利用実績から成果、またその課題についてご答弁申し上げます。 議員のご質問にもございましたが、発達相談センターでは平成22年の開所以来、専門職や専門医師による個別相談と家庭支援、親子での教室や保護者のための学習プログラム、発達障害に関する講演会や支援者向け研修会などを実施してまいりました。 主な事業の実績等を申し上げますと、相談件数については、平成22年度は506件でございましたが、年々増加の状況にございまして、平成29年度は1,896件と、開所時の3倍を超える状況となっております。 発達相談センターでの取り組みでありますが、相談を受けますと、まずは保護者の皆さんの思いを受けとめ、遊びを通して子供の特性を見きわめながら、家庭での対応方法について提案を申し上げたり、必要に応じて発達検査や保育園や学校訪問等を実施いたしまして、個々の子供の課題に即した支援方法について助言を行っております。専門医による相談につきましては、現在発達専門の小児科の医師と児童精神科の医師の2人の医師に依頼いたしまして、平成29年度は15回24人が相談を受けております。医師の相談会では、保護者が医師から子供の特性について説明を受けたり、対応について助言や指示をお聞きすることができますので、保護者の皆さんの困り感の軽減、これらにつながっているものと受けとめております。また、この相談会には保育園や学校の先生方も同席をすることがございまして、家庭や学校等の場において特性に応じた対応方法が共有できる機会として有益な機会となっているものと考えております。 また、子育てに難しさを感じている保護者を対象に、子供の特性に応じたかかわり方を学ぶ講座といたしまして、ペアレントトレーニングを実施いたしております。今年度は年少から小学生のお子さんを持つ保護者の方を対象に、1コース10回の教室を2コース実施いたしましたが、保護者が子供の困った行動を減らす方法を考え、実践をすることで親としての自信を取り戻すことにもつながっており、保護者の方への支援としても重要な取り組みの一つであろうというふうに考えております。 あわせまして、28年度から保育士を対象とし、保育士みずからが発達に特性を持つ子供の行動の理解、あるいはかかわり方を具体的に学ぶ講座を設けております。受講者からは保育の現場での実際の支援に生かすことができたとの感想も寄せられており、今後も支援者にとって実効性のあるこのような研修会を引き続き行ってまいりたいと考えております。 ただいま申し上げましたように、発達相談センターは開所以来、各種見直しを行いながらもさまざまな支援事業に取り組んでまいりました。取り組みの成果という点では、これらの取り組みを通して子供の成長を切れ目なく支援すること、特に幼稚園、保育園、小中学校や関係機関が連携することで一貫した支援が行えるようになってきたのではないかと、これも成果の一つであると受けとめをしております。 これらの成果と同時に今後の課題として受けとめる点でございますが、特に発達障害の子供や家族を支える体制について課題として捉えている2点について申し上げさせていただきます。 まず1点目は、専門職の体制についてであります。発達障害につきましては、乳幼児期からその特性を保護者や周囲の大人が理解した上で、できる限り早期から適切な支援につなげることが大切でございまして、そのことで子供の健やかな成長が促され、将来自立した社会生活を送るその基礎になると言われております。この早期に子供の特性を見きわめ、特性に沿った支援をするためには、発達の専門医とともに心理士や作業療法士などの専門職がかかわることが必要であります。現在上田市の発達相談センターにはこの専門職が常駐をいたしておりますが、継続して支援を行っていくためには、子供の発達障害に対応できる専門職の養成とその確保が課題であると考えております。 次に、2点目といたしましては、療育支援体制についてであります。発達相談センターでは、先ほど申し上げましたように相談事業を実施してまいりましたが、相談を受けた場合、保育園や学校、家庭生活が安定するまで専門職による支援を月1回程度継続して行ってきております。しかしながら、子供の状態によっては特性が強く、療育の場が必要なケースもございますが、上小圏域の療育の場であります児童発達支援センターも定員を超えている状況にございまして、今後関係機関でどのような体制をつくっていくのがよろしいのか、こういったことも大きな課題であると考えております。 申し上げました課題については上田市の発達相談センターのみで解決できるものではございませんが、関係機関とも連携をいたしまして、子供や保護者にとって安心して相談できる、そういった体制づくりに今後も努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。 現在は相談支援の対象につきましては、市内在住のゼロ歳から18歳までのお子さん、そしてその保護者ということになっていますが、卒業、就労から自立に至るまで、あるいは自立した後の支援が必要という当事者やご家族の声があります。私は、8月に政務活動費を活用し行政視察に行かせていただいた滋賀県彦根市では、子ども・若者総合相談センターという施設が開設されており、おおむね39歳までの子供と若者の方、さらにご家族の方を対象にした相談支援業務を行っておられました。担当者の方によれば、最も相談件数が多いのは大学生の年代ということでありまして、18歳以上の方々にも一定以上の需要があることがうかがえました。上田市の発達相談センターの相談、支援対象年齢を引き上げる必要があると考えますが、見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 発達相談センターの対象年齢の拡大についてのご質問でございました。 上田市の発達相談センターは、乳幼児期から発達障害を早期に発見し、子供の成長、発達に応じた支援を行うことを目的としており、現在発達相談センターでは、議員のご質問にもございましたが、ゼロ歳から18歳までの発達に心配のあるお子さんを対象としております。対象年齢を18歳までとしておりますのは、発達障害の支援は子供への支援とともに、特に子育てに難しさを感じておいでになる保護者の皆様への支援が大変重要であると考えているからであります。また、発達相談センターはひとまちげんき・健康プラザ内に設置されておりまして、このことから母子保健や子育て広場を利用する子育て中の皆様にとりましても相談しやすく、また乳幼児期にかかわる関係者にとっても利用しやすいといったような利点もございます。 18歳を超えたいわゆる大人の発達障害の方への支援は、社会生活を営む上で生きづらさに関する内容が主となることから、福祉制度の利用の場合は市の障がい者支援課、就労等については上小圏域障害者総合支援センターなど支援を行う機関がそれぞれの専門性を生かした対応をすることが必要であると考えております。発達相談センターで相談を受けていた子供が成長し、18歳を超えてご相談をいただくこと、こういったこともございますが、その場合でもお話をお聞きし、相談内容に応じた機関につなぎをし、相談先がないという状況にならないように対応をしているところでございます。 したがいまして、発達相談センターの対象年齢を引き上げるべきとのご指摘ではございますが、当面対象年齢の引き上げは行わず、まずは乳幼児期から学齢期の子供とその保護者の皆さんへの支援を充実させ、大人になったときに自立した生活を送れるよう、この時期の支援についてさらに充実させるとともに、関係機関との連携をしっかりと図ってまいりたいと考えております。 なお、発達にかかわる相談は、大学生の年代に多いというお話もございましたが、上田市内の各大学や短期大学では相談ができる学生相談室や保健室が設置され、保健師や心理士等による相談体制がとられており、また精神科医師の相談会が設けられている大学もあるとお聞きをいたしております。今後発達相談センターを含めた関係機関におきましても必要に応じて大学等とも連携をし、学生の支援にも当たっていくようにしてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。引き上げを行うということは現段階では考えず、連携体制を強化していくという趣旨のご答弁でありました。 少し順番を入れかえさせていただきます。現在上田市では横のつながりと縦のつながりを大切にということで、市役所関係部署のみならず、幼稚園や保育園、小中学校、長野大学、病院や保健福祉事務所、上小圏域障害者総合支援センター、児童発達支援センターなど、地域の中で支援の輪を広げる取り組みを重点的に行っていただいているとお聞きいたします。先ほどのご答弁も踏まえまして、今後さらに必要な支援を強化するに当たり、関係機関の連携強化に向けた考え方を伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 発達相談センターと関係機関との連携の強化についての考えについてであります。 発達障害の子供たちが地域で家族とともに安心して暮らし、社会の一員として成長するためには、子供を中心にして関係する機関がお互いに連携をする、いわゆる横のつながりと、子供の成長に応じて切れ目なく支援を引き継がれる、いわば縦のつながりの両方が大変重要であるというふうに考えております。こうした連携を図るためには、子供の成長の記録や発達の検査結果などの情報が支援する関係者に共有されることが必要であります。その一助となるよう発達相談センターでは「つなぐ」という支援ノートを作成いたしまして、希望される方に配布を申し上げ、その活用を進めているところでございます。 このような取り組みを初め、発達相談センターでは保護者と関係機関が子供の特性を理解し、子供が伸び伸びと生活や学習ができるよう、また発達障害の子供やその家族への支援が円滑に行われるよう、今後も関係機関相互の連携について強化を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。 続いて、学校教育現場での取り組みと課題についてお聞きいたします。発達障害児は学習環境によって学習面での成果に大きな違いが出ます。そのため、発達障害児の将来のため、よりよい学習環境を整備することが求められております。発達障害児はそれぞれ特性があるために、よりきめ細やかな支援が求められています。各小中学校におけるスクールカウンセラーの利用状況はどうか、また相談体制をさらに強化するためにスクールカウンセラーの人員加配が必要と考えますが、お考えをお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) スクールカウンセラーについてのご質問をいただきました。 本年度上田市には県教育委員会が任命したスクールカウンセラー4名が拠点となる小中学校に配置されております。また、上田地域定住自立圏事業として市が採用した1名が派遣要請を受けた学校を巡回し、児童生徒や保護者の相談に応じております。 利用状況でございますが、昨年度の実績で申し上げますと、県のスクールカウンセラーは相談件数が延べ1,443件、相談者数が588人となっております。なお、相談者の内訳を見ますと、児童生徒が248人と一番多く、全体の42.2%を占めております。次に、保護者181人、教職員158人と続いております。また、相談内容といたしましては、不登校、心身の健康、友人関係が多い状況ですが、議員お尋ねの発達障害に関する相談も件数では134件、全体の9.3%を占めておりまして、多くの内容でスクールカウンセラーが相談に対応をしております。 一方、市のスクールカウンセラーでございますが、昨年度は市内4校に派遣をしました。児童19名と保護者9名の相談に当たりましたが、継続的に数回にわたって相談がございました。中には20回以上の相談もございました。相談内容といたしましては、友人関係や心身の健康問題が多くなっております。 スクールカウンセラーは発達障害に限らずさまざまな相談に応じておりまして、その内容も多岐にわたっております。発達障害に関しましては主に保護者からの相談が多く、相談内容といたしましては、家庭における子供への接し方などが中心になっております。今後も同様の相談がふえるのではないかと推測しております。 県が配置しましたスクールカウンセラーに関しましては、この5年間に県教育委員会が上田市全体の相談時間を勘案して時間を増加してまいりました。また、相談件数の増加に伴いまして、市といたしましても県のスクールカウンセラーのみでは相談体制が不十分と考えまして、新たに1名を採用し、児童生徒や保護者への相談体制を強化してまいりました。 今後の増員につきましては、相談件数や継続的に相談回数の多いような実態を踏まえまして、県とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。今後とも求められております支援が適切に講じられますこと、注視してまいりたいと思います。 次に、体の性と心の性が一致しない方、性的マイノリティー、LGBTへの支援と人権教育について伺います。それぞれLはレズビアン、女性に引かれる女性、Gはゲイ、男性に引かれる男性、Bはバイセクシュアル、男女双方に引かれる方、Tはトランスジェンダー、出生時の性と性自認が一致しない方、いわゆる性同一性障害の方を含みます。市の人権啓発推進委員会がことしまとめていただきました「ヒューマン上田」の巻頭特集でもこのことが取り上げられておりました。電通や博報堂の調査でもLGBTの人の割合は7.6%から8%、左ききやAB型の方の日本人の割合とほぼ同じとも言われます。近年ドラマや小説、漫画等々でLGBTは頻繁に取り上げられています。とある国会議員の方の当事者の方々についての発言が強い社会的批判にさらされたことも社会にLGBTの方たちが受け入れられつつある証拠だと思います。 五輪憲章では性的指向による差別が禁止され、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の決定した調達コードにおいては、性的指向、性自認に関する差別の排除などLGBTの保護が定められています。性別とは当事者の心であるという考え方について検討と具体化を進めなくてはならない時期に来ていると私は思います。 昨年12月に市と市教育委員会が人権に関する市民意識調査を実施いたしました。その報告書によれば、性的指向及び性同一性障害に対する問題について、LGBTの方がどのような課題を抱えていると思いますかという問いに回答した方のうち、54.8%の方が理解が足りないことと答え、次いで差別的な言動をされることが41.4%、じろじろ見られたり避けられたりすることが39.9%と次いでおりました。県が平成27年にとった調査の同設問でも理解不足が42.7%で最も高く、わからないが38.1%と次いでいました。理解不足や十分な把握ができないことが極めて大きな壁であることがわかります。人権教育としてさまざまな場でこのLGBTの問題を取り上げることの重要性について教育長の見解をお聞かせください。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) LGBTと人権教育についてご質問をいただきました。 我々人間は一人一人が皆人間らしく生きる権利を持っておりまして、この権利は平等であり、そして奪うことができないものでございます。そして、LGBTに関しては、性に対する考え方や思いの多様性を認め、それらの人々の人権を互いに認め合うことが重要であると考えております。これを踏まえまして、LGBTを人権教育に取り入れることにより、LGBTで悩み苦しんでいる人がいることを知り、その人たちの気持ちを理解し、その人たちの痛みや感情に共感するとともに、悩む人たちに寄り添える力、偏見や差別に立ち向かう力を育む人権教育が必要であると考えております。 小中学校におきましては、子供たちがいつでも手にとれるよう、図書館や保健室にLGBT関連の書籍を用意したり、人権学習の一環としてDVDや当事者の講演からLGBTについて学び、理解を深めるための学習活動が始まっております。LGBTの方を講師に招いた講演会を実施した小学校がございます。 また、学校以外の人権学習の場におきましてもLGBTの理解をテーマとして取り上げる機会がふえてまいりました。地域で言いますと、公民館と自治会が連携して開催する講演会や懇談会、企業、職場におきましては、上田市内の企業204社から構成される上田市企業人権教育連絡会が開催する講演会やセミナー等においてLGBTを正しく理解するための研修が実施されております。 人権教育は単なる知識や理念の習得にとどまらず、人々の生活や社会において意識改革につながる行動ができる実践者を育てることを目指す、そういった取り組みが重要でございます。そのためには、行政だけでなく、関係団体と連携をとりながら学校、家庭、地域、企業、職場などあらゆる場面でLGBTを含む人権教育を引き続き推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) 大変前向きで温かみのあるご答弁をいただきました。 東京都豊島区や文京区では、区役所職員向けに当事者の方への対応マニュアルを作成している事例もあるとお聞きしておりますが、上田市ではLGBT当事者が相談できる窓口を開設する考えはあるか伺います。また、当事者の方の悩みに向き合える理解ある方に相談員についていただくことが必要だと考えますが、所見を伺います。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民参加協働部長(小宮山剛君) 相談窓口の開設と理解ある専門的知識を有する相談員の設置についての見解とのご質問でございます。 LGBTに関する社会的な認識は広がりつつございますが、近年NHKや宝塚大学が実施した調査によると、LGBTについての関心や知識がないことから来る差別や偏見により困難な状況に置かれている当事者は全国的には少なくないものと捉えられております。厚生労働省の平成29年の自殺総合対策大綱では、自殺念慮、いわゆる死にたいという気持ちを持ってしまう方の割合、これが高い層としてLGBT当事者に言及しております。厚生労働省の補助事業であります電話相談「よりそいホットライン」に寄せられたLGBT当事者からの相談におきましては、本人も差別や偏見により社会生活の中で一人で悩み、心に深い傷を負ってしまっているなどの問題も顕在化しているところでございます。 第3次上田市男女共同参画計画では、悩み事、人権、性、暴力、セクシュアルハラスメント等についての相談体制の充実を図るものとしており、市民プラザ・ゆうを初め健康推進課、子育て・子育ち支援課等の各課に相談窓口を設置しているところでございます。市民プラザ・ゆうの相談窓口は、いわゆる社会的性差別等の視点を持って相談の対応に当たっております。対象は男女の性別にかかわりなく相談をお受けしているものでありますので、現在のところLGBTに関する内容の相談はございませんけれども、LGBT当事者の方の相談もお受けする体制となっております。また、法律相談の窓口も設けておりまして、女性弁護士による人権救済にかかわる相談ができる体制で対応させていただいております。このほか、計画に基づき庁内外の各種相談窓口と連携を図り、先ほどの「よりそいホットライン」や法務省の人権相談、LGBT支援団体等による専門性の高い機関や団体を紹介したり、悩みを抱えた相談者に対応できるように、相談機能や支援体制の充実を図ってまいりました。 LGBT当事者を含む専門的知識や理解を持つ相談員を配置した窓口を設置することがより望ましいものと考えられますけれども、現在のところは研修等を通じてより一層の各相談員の能力向上を図るとともに、LGBT当事者への各機関が実施している相談窓口の周知、そして関係機関等との連携強化を図る中で、今後も現在の相談体制を継続しながら研究をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員。          〔1番 石合 祐太君登壇〕 ◆1番(石合祐太君) ご答弁いただきました。一層の理解の促進、差別の解消につながり、LGBT当事者が自分らしく生きられる地域社会形成に向けた取り組みにご期待を申し上げます。 地方の取り組みの点では国よりも先に取り組んでいた自治体の動きがございます。東京都渋谷区や世田谷区が同性のパートナーを認める公的書類の交付を始め、また条例を制定し話題になりましたが、その後も宝塚市、那覇市、千葉市などでも公的書類を交付しております。内容としては、公的書類宣誓書、受領書を発行することにより、同性カップルのメリットとして賃貸住宅の契約をするときや病院で面会をするときなど、公的な書類を提示することで男女の夫婦と同様に扱われやすくなるといった事例がございます。また、自治体の公的証書があれば誰もが当たり前に持っている携帯電話、主要3携帯、ドコモ、au、ソフトバンクでいわゆる家族割引の申し込みが可能になります。さらに、全日空、日本航空では家族などで共有できるマイレージを同性カップルでも利用できるようになっております。 一方、今後の課題として自治体の発行する公的書類や企業の取り組みなどには法的な拘束力がないこともあります。国会における超党派の動きに期待をしたいと思います。渋谷区のように条例をつくらずとも、世田谷方式、いわゆるこのパートナーシップ宣誓書、受領書などの発行を行うことであれば、市長の裁量行為で可能であります。経済的に不利益をこうむっている事項に関しては先んじて改善の必要があると考える立場から、パートナーシップ宣誓書、受領書の発行について今後対応する考えを伺います。過重な負担でもないと思いますし、合理的配慮に当たると考えております。市長の掲げる共感力、市民力にも通じる中身かと思います。全国的にも首長のリーダーシップでパートナーシップ宣誓書、受領書の発行につながった事例が多いということで伺っておりますので、市長に見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 同性カップルの関係を自治体が公に証明するパートナーシップ制度は、先ほどご指摘ありましたように、平成27年に渋谷区と世田谷区で始まりまして、報道によれば、本年8月現在全国で9自治体が導入しておりますが、制度運用上の内容もさまざまであります。 パートナーシップ制度導入の目的として、多様性を認め合える社会の推進や、一人一人が自分らしく暮らせる地域社会を築くことなどを挙げ、その取り組みとして、同性カップルへの支援やLGBT当事者への差別や偏見の解消、社会的誓約の緩和、権利の擁護と拡大を推進していくというものと捉えております。議員がおっしゃるとおり、男女間の婚姻制度とは異なりますので、現在のところ法的拘束力はありませんが、パートナーシップ証明書等を自治体が発行することにより受けられるようになる、先ほどもご指摘されましたように、民間サービス等もある一方で、サービスを提供する民間において証明書等を必要としないなど理解を示す動きも出てきております。 上田市人権施策基本方針で掲げる基本理念「一人ひとりの人権が尊重される社会を実現する」ためには、LGBT当事者の皆さんの生きづらさを少しでも解消していくことは必要なことです。そのためには、多様な性を認め、そして理解するという個々人の意識が不可欠であると考えております。また、地域全体でLGBTに対しての理解を進め、寛容性を高める中で偏見や差別の解消に努めていくことが重要であります。 いずれにいたしましても、パートナーシップ制度の導入につきましては、LGBTに関する教育、啓発をまずは推進し、市民の理解を深め、その深まりの中で課題等を整理しながら進めていくことが肝要であり、現在のところ制度化については想定しておりませんけれども、さらに研究を進めるよう指示したところでございます。 パートナーシップ制度を導入している自治体が目的としていることは、一人一人の人権が尊重され、多様性を認め合える社会の推進や自分らしく暮らせる地域社会を築くことを目指すことであります。その取り組みとして、同性カップルへの支援やLGBT当事者への差別や偏見の解消、社会的誓約の緩和、権利の擁護と拡大を推進していくというものであります。 また、当事者にとっては社会には多くのLGBTカップルがいて、普通に生活をしているという認知が広まることや、パートナーとなって一緒に生きていくということを誓い合うあかしや節目として、2人の関係を公に証明で認めてもらいたいなどの要望に応えるというものであります。先ほど触れていただきましたように、法的な拘束力はありませんけれども、自治体が発行することにより受けられるようなサービスもあるということであります。 例えば、市立病院でパートナーが入院した際、連帯保証人になれる、あるいは病状の説明や手術の承諾書にサインすることができる、市営、区営住宅への入居もできるようになる自治体もあると、また民間企業においては先進的な企業では、逆にパートナーシップ証明書等の提出を必要としない取り組みも始まっております。例えば、生命保険の受取人指定につきましては、自治体が発行するパートナーシップ証明書等の提出が必要となる保険会社もありますが、保険会社が規定する書類で対応できる保険会社もふえてきているということであります。携帯電話につきましても、同性パートナーを家族割の対象としている携帯会社の中には証明書等を必要としない会社も出てきております。 いずれにいたしましても、先ほど研究を指示したという旨の答弁をいたしましたように、LGBTに関する教育、啓発により市民の理解を深める中で、今後市内あるいは他市の状況等を踏まえまして課題等を整理してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 石合議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時56分   休憩                       ◇                                午前11時15分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第11号、市政について、池上議員の質問を許します。池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 通告に従い質問してまいります。 公明党上田市議団は毎年12月定例議会の初日に新年度予算編成に関して予算政策提案書を提出しています。私たちは本年4月から約3カ月間にわたって子育て、介護、中小企業、防災減災の4分野をテーマにアンケートを行い、全国で100万人訪問調査運動を実施しました。上田市におきましてもあらゆる立場の市民の皆様の声や思いをお聞きしてまいりました。少子高齢化が進み、人口減少社会の到来に対して、スピード感を持って将来持続可能なまちづくりに先手を打つ政策、また市民の誰もが活躍できる、安心できるまちをテーマに、平成31年度予算政策提案書として最重点施策22分野27項目と重点項目33分野90項目を市の各部局に提案しました。今回私はその中から地域包括ケアシステムの構築について3点にわたり質問してまいります。 初めに、生活支援体制整備事業についてお聞きします。高齢化の進展に伴い単身世帯や夫婦のみの高齢者世帯、認知症の高齢者が増加しています。このような状況下においてもできる限り住みなれた地域で尊厳を持って自分らしい生活を送ることができる社会、その実現に向けて介護サービス基盤を整備していくのと同時に、住まいを中心として医療、介護、予防、生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築が図られています。高齢者の在宅生活を支えるには、介護保険制度のサービスに加えて地域で支え合う住民、NPO法人、ボランティアなど多様な団体等を主体とした互助を基本とした生活支援、介護予防サービスが創出される取り組みを積極的に進める必要から、全ての市町村で生活支援体制整備事業が実施されることになっています。 そこで、お聞きします。この事業は具体的にどのようなものなのか。また、上田市の現在の取り組み状況はどうなのかをお聞きし、第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 生活支援体制整備事業についてのご質問でございます。 生活支援体制整備事業は、市全域を第1層、日常生活圏域を第2層として、それぞれに生活支援コーディネーターの配置と協議体を設置することとしており、地域資源の開発やネットワークを構築することで多様なサービスによる重層的な介護予防や生活支援の取り組みを推進するものです。 上田市では平成28年度に第1層の協議体として高齢者介護課の保健師を生活支援コーディネーターとして配置し、上田市社会福祉協議会、地域包括支援センター等の関係者とともに第2層の生活支援体制整備事業の進め方を協議してまいりました。その成果として、第2層のモデル地域として今年度は城下、川西、塩田の3地域の各地域包括支援センターに生活支援コーディネーターを配置してさらなる事業展開を図っているところでございます。 第2層の生活支援コーディネーターの役割は、地域のニーズと資源の状況を把握し、地縁組織等多様な主体への働きかけと地域間のネットワーク化を図り、生活支援の担い手となる団体やサービスの開発を支援していくというものです。また、協議体の目的は、多様な主体間の情報共有及び連携、協働によるサービスや資源の開発等を推進することで生活支援コーディネーターを組織的に補完し、地域ニーズの把握、情報交換や働きかけを行うため、メンバーは地域の実情と事業の進捗に応じて適宜参加者を加えていくことが必要であるというふうに考えております。 上田市においてはまちづくり協議会などの住民主体の組織が設立されてきており、そこに生活支援コーディネーターも参加するなどして連携を図ってきております。市でもこれまでの地区のまちづくり協議会等で生活支援体制整備事業についての説明会を開くなどしており、一体となって地域づくりの推進を図ってまいります。また、地域の人材の養成等で市民参加協働部とも連携して福祉のまちづくりに向け、目的の共有化を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいまは答弁で今年度は3カ所でモデル地域として第2層の生活支援体制整備事業が始まったとお聞きいたしましたが、住民主体による生活支援、介護予防サービスの活動状況というものはどういうものなのか、お聞きします。また、その成果はどうかもお聞きいたします。 また、この住民主体の活動に対して現在市では何らかの助成制度があるのかをお聞きします。基本的な活動は地域住民による支え合い活動が中心になると思いますが、そうした活動が継続されるためには、市としての何らかの運営に対しての助成制度が必要と考えますが、どうでしょうか。また、ない場合には今後どのように考えているのかをお聞きします。 さて、第7期上田市高齢者福祉総合計画では、第2層の生活支援コーディネーターの配置を2020年度末までに10人配置としていますが、今年度のこのモデル地域の状況をお聞きしますと、できるだけ早く10カ所の日常生活圏域においてこの生活支援体制整備事業が実施されることが望ましいと考えます。そこで、来年度以降の進め方についてもお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 生活支援体制整備事業のモデル地域と来年度の取り組みについてのご質問でございます。 生活支援体制整備事業は、地域住民による互助活動を通じた地域づくりを進めながら、住民主体の活動を活性化することが目的となっています。そのため、第1層、第2層の生活支援コーディネーターが連携を図りながら、住民主体の活動が推進されるように努めているところでございます。 各地域の具体的な状況でございますが、城下地域では、住民が主体となって週1回の半日介護予防活動や交流を行うデイサービスが始まっています。事業の立ち上げに当たっては、第2層の生活支援コーディネーターと市が支援をしながら進めておりますが、住民主体の活動として徐々に自立していけるように進めてまいりたいと考えております。また、塩田、川西地域はまだそこまで到達はしておりませんが、生活支援コーディネーターの活動により、地域の生活支援を考える団体やデイサービスの実施について相談が来ている状況で、今後の地域住民による自主的な互助活動が期待できる状況になりつつあります。 住民主体の活動に対する助成制度ということでございます。上田市では平成28年度から住民主体の活動を推進するため、月1回以上定期的に通いの場を設置する場合に、立ち上げ時点の支援として20万円を上限とした上田市高齢者地域サロン設立資金助成事業を実施しています。これは地域での介護予防を目的としたサロン活動の活性化を推進するもので、11月1日現在市内では24カ所でサロン活動が進められております。 こうしたサロン活動のほかに、地域で介護予防活動を住民主体で定期的に実施する場合に、市から運動指導員等の講師を派遣する地域リハビリテーション活動支援事業も実施しており、住民主体のサービスの提供につながっていくことを期待しているところでございます。 住民主体のデイサービス事業については、通所型サービスBまたは訪問型サービスBという言い方で位置づけられており、運営補助等を行って支援をしていくことが可能となっております。この通所型サービスB、訪問型サービスBに対する補助制度は、現時点では上田市ではまだ制度化されておりませんが、生活支援体制整備事業を進めることで住民主体の活動が活性化されていくものと考えており、生活支援体制整備事業の推進を図りながら補助制度のあり方について検討を進めてまいります。 来年度以降の進め方でございます。今年度モデル地域として実施した3つの地域では、住民の皆さんの社会参加意識が高く、少しずつではありますが、先ほど申し上げたような活動が具体化しつつあります。現在の超高齢社会において地域づくりとは福祉のまちづくりそのものであり、要支援や要介護状態になっても地域で役割を持ち続けられる住民主体の活動の機会や場所づくりを進め、助け合い活動が地域の中で自然に行われていくためには生活支援体制整備事業をさらに進める必要があると考えております。こうした取り組みが少しでも早く地域に浸透するために、来年度は全ての日常生活圏域において生活支援コーディネーターを配置し、関係機関や団体と連携を図り、地域づくりの意識、方向性を統一しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま答弁をお聞きいたしまして、その来年度への広がりに期待するところであります。よろしくお願いいたします。 それでは、認知症施策についてお聞きしてまいります。市では認知症でお困りの方を対象に早期診断、早期対応に向けた支援体制を構築するため、認知症専門医と多職種専門職で構成する認知症初期集中支援チームを平成29年4月から設置、運営しています。先ほど申し上げた100万人アンケート調査の介護の分野では、この認知症初期集中支援チームの認知度は12.1%と大変低く、普及啓発の必要性が浮き彫りになるという結果でした。上田市におけるこれまでの支援状況はどうかをお聞きします。 また、本年認知症疾患医療センターとして千曲荘病院が県の指定を受けたとお聞きしましたが、その役割はどのようなもので、市にはどのような影響があるのかをお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 認知症施策についてのご質問でございます。 認知症初期集中支援チームは、国が平成26年度に策定した認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランにおきまして平成30年度までに全ての市町村で実施することとされておりますが、上田市では医師会初め関係機関のご協力をいただき、平成29年4月に発足することができました。この認知症初期集中支援チームは、認知症と疑われるが受診を拒否している方や適切なサービスに結びついていない方及びその家族を訪問し、支援方針、目標、内容、頻度などを検討した上で、本人や家族などへの初期的な支援を包括的かつ集中的に行い、本人の状況に応じた自立生活に向けたサポートを行うチームでございます。このチームは、認知症の専門医3人、保健師、社会福祉士、精神保健福祉士、作業療法士の専門職4人計7人で構成され、ケースごとに専門医と専門職から成るグループを編成して対応をしているところでございます。 具体的な支援の状況ですが、平成29年度は相談の実人数が26人いらっしゃいまして、このうち集中支援を行った結果介護サービスや医療機関へ引き継ぎとなった方は10人、助言等で解決できた方は16人となっております。集中支援を行った10人については延べ136回関係者会議を開催し、訪問回数は115回、電話による状況確認、相談等は110回となっております。また、直近の状況として今年度10月までの状況ですが、相談実人数12人のうち、集中支援が8人、助言等は4人で、関係者会議を77回開催し、訪問回数は201回、電話による状況確認、相談等は241回となっており、訪問、電話回数は昨年度の実績を上回るペースとなっております。 集中支援により多くのケースで医療機関や介護サービスに結びつけていることから、家族の負担軽減という点でも効果があらわれておりますので、今後も認知症の早期診断、早期対応に対し効果的に支援できるようにしてまいりたいと考えております。 続いて、認知症疾患医療センターとして指定を受けた千曲荘病院との関係でございます。認知症疾患医療センターは、認知症に関する詳しい診断、行動、心理症状や身体への合併症の対応、専門医による相談などを行う医療機関として、かかりつけ医や介護、福祉施設、行政とも連携し、地域の中で認知症の方やそのご家族に適切な専門医療を提供する役割を担っております。千曲荘病院は本年10月1日県より認知症疾患医療センターとして指定されました。これにより県内では5つの医療機関が指定を受けている状況でございます。これまでにも千曲荘病院とは先ほど申し上げた認知症初期集中支援チームのほか、認知症高齢者等支援ネットワーク協議会など市の認知症施策に積極的にかかわってきていただいております。今回の指定を受け千曲荘病院の役割は今後ますます重要になると期待をしているところでございます。上田市としましても、これまで以上に千曲荘病院と連携を深め、認知症施策を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま答弁いただきまして、大変活動していただいていることに感謝するところでございますが、より市民の皆様にこの認知症初期集中支援チームの啓発が進むように期待するところであります。 次に、認知症カフェについてお聞きいたします。認知症の方、その家族、地域の方や専門家が気楽に集い、交流する場所として認知症カフェがあります。市では高齢者が生きがいを持って住みなれた地域で暮らし続けるために大変効果の高い取り組みだと考え、その設立を支援するために平成28年度から設立資金を助成し、設置の推進に努めていると認識をしています。 そこで、この認知症カフェの現状と助成金の効果を伺います。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 認知症カフェの現状についてのご質問でございます。 認知症カフェは、認知症の方やそのご家族、地域住民及び介護、医療、福祉専門職など関係者の誰もが気軽に集い、お茶を飲みながら語らい、交流を楽しんだり、参加者で悩みを相談し合ったり、お互いの理解を深める場所として利用をされております。市内では現在小林脳神経外科・神経内科病院内の「ももカフェ」、訪問看護ステーション芳田内の「希望のカフェ」、JA信州うえだ宅老所しおじり内の「にっこりカフェ」、特別養護老人ホーム上野の里内の「里カフェ」の計4カ所が開設されております。カフェにより日数は異なりますが、月1回から週1回程度の頻度で定期的に開設されております。平成29年度の実績としては、4カ所合計で90回開催され、延べ696人の方が参加をされています。今年度10月までの実績としては、55回開催され、378人の方が参加されており、重要な社会資源の一つとなっております。 市では開設されている認知症カフェのPR支援のほか、カフェの立ち上げに要する費用に対し助成金の交付を行っております。助成金を利用するためには、2年以上カフェの事業を継続すること、駐車場の確保など一定の要件を満たす必要がございますが、備品の購入費及びポスターや広告の印刷製本費等が助成金の対象となり、補助率は10分の10、ただし限度が20万円となっております。交付は1回限りとなりますが、設備投資及び宣伝広告等の初期費用の一部が抑えられることで開設しやすくなるという効果があると考えております。 今後も認知症の方やそのご家族に優しい地域づくりを推進していくため、認知症の方とそのご家族の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよりよい環境で自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症カフェの開設に向けて支援を続けてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま答弁いただきました。この認知症カフェについて再質問をさせていただきます。 この認知症カフェ、当初できるときに本当に鳴り物入りでどんどん進んでいく認知症対策として大変いいということで期待をしていたわけでございます。今4カ所ではやっているところでありますけれども、この設置件数2020年までに7件という計画にはなっておりますけれども、こう見ておりますとなかなかその後が進んでいないような、4カ所以降から進んでいないようなふうに見えるのですけれども、まずその原因は何かと考えているかということと、また今後どのように取り組んでいくかということを再質問させていただきます。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 認知症カフェの設立が進まない原因は何かという質問でございます。 認知症カフェは、先ほど申し上げましたこともございますが、認知症の方とそのご家族、地域の方、専門職が集う場であること以外、余り細かな設置基準あるいは内容は定められておりません。しかしながら、この専門職の方が所属する医療機関や介護福祉施設等での本来業務があることから、店舗や公民館等勤務先から離れた場所で開催する場合には参加が難しくなるということから、認知症カフェの設立が進まない原因の一つと考えているところでございます。 そのため、現在、先ほど申し上げました4カ所の認知症カフェは全てが医療機関や介護福祉施設に併設をされているということでございます。この4カ所の施設では既存施設のスペースを有効に活用し、地域住民とのつながりも強化しながら継続的に運営をしていただいているところでございます。特に施設等に併設する認知症カフェによって施設の持つ認知症ケアのノウハウや実績を地域に還元することで地域包括ケアの強化、推進にもつながってまいります。認知症の方に対し優しい地域づくりを図るため、今後市内の医療機関や介護福祉施設等にさらに積極的に働きかけ、設置をしていただけるよう呼びかけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま答弁を伺いまして理解しました。さらなる積極的な働きかけをお願いします。 では、認知症について引き続きお聞きしてまいります。市では認知症を正しく理解し、認知症の方やその家族を見守り、励まし、支援を行う認知症サポーターの養成に鋭意取り組んでいただいていることはよく承知をしております。2025年には高齢者の5人に1人が認知症を、もしくはその予備群になるとされている中、認知症を正しく理解する市民がふえることは非常に重要です。また、地域のさまざまな場面で認知症サポーターの活躍も望まれるところです。 そこで、伺います。地域や企業における認知症サポーターの育成状況とスキルアップの取り組み状況はどうか、また今後の取り組みはどうかをお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 認知症サポーターに関するご質問でございます。 認知症サポーターは、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、認知症の方やそのご家族に対し自分なりにできることを実践する方です。認知症サポーターになるためには認知症サポーター養成講座を受講することが必要となっております。この認知症サポーターの育成状況でございますが、平成29年度に実施しました養成講座として、市民向けには24回開催し、計617人の方に、企業向けには9回開催し、計180人の方に受講していただきました。今年度は10月までに市民向けには15回、379人の方に、企業向けには11回、164人の方に受講していただきました。また、平成29年度からは認知症の方やそのご家族の意思を尊重した適切な行政サービスを提供するため、新たに市職員を対象に養成講座を開始いたしました。全体ではこれまでに延べ1万3,623人の方に受講していただいており、市民の認知症に対する意識あるいは関心の高さは高まってきていると感じているところでございます。 続いて、スキルアップの取り組みですが、ステップアップ研修を平成29年度は19人の方に受講していただきました。今年度は1月に開催予定となっております。ステップアップ研修を受講される方は認知症サポーターの中でも認知症の方の見守りやボランティア活動に積極的で、特に高い意識をお持ちの方でございます。今後は認知症サポーターの活躍の場として認知症カフェと連動させることで意欲の高いサポーターの方を活用し、認知症の方とそのご家族を支える地域づくりを推進してまいりたいと考えております。また、先ほど19人ということで若干数字が少ないということもございますけれども、多くの方にステップアップ研修を受講していただけるよう、認知症サポーターの方にも働きかけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) では、次に地域包括支援センターの充実についてお聞きします。 地域包括支援センターは、高齢者が住みなれた地域でできる限り自立した生活を継続するために必要な支援を継続的かつ包括的に提供する仕組みで、地域包括ケアの中核機関として重要な役割を担っています。地域包括支援センターの機能強化は非常に重要です。 そこで、伺います。市は市内10カ所の地域包括支援センターとどのような連携を図っているか。また、地域包括支援センターの事業評価の方法は自己評価を採用しておりますけれども、今後それに対して客観的な評価が必要と思いますが、客観的な評価はどのように行っていくのかをお聞きします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 地域包括支援センターに関する質問でございます。 地域包括支援センターは、地域住民に対し必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設でございます。市では高齢者のニーズに応じて介護、予防、医療、見守り等の各種のサービスや住まいを適切に組み合わせて提供し、24時間365日を通じた対応可能な地域包括ケアシステムを構築するため、それらの地域拠点として市内10の日常生活圏域で地域包括支援センターを設置しているところでございます。 市との連携でございますけれども、センター間の連絡調整や関連機関とネットワーク構築などセンターの活動の下支えとなる支援はもとより、高齢者介護課ばかりでなく、福祉部の福祉課、障がい者支援課あるいは健康こども未来部の健康推進課などの職員も必要に応じて個別の課題解決や地域ケア会議、訪問への同行などを実施しているところでございます。 地域包括支援センターが、地域包括ケアシステム構築に向けて中心的役割を果たせるよう、また地域住民にとってより効果的な支援となるよう連携をさらに深めてまいりたいと考えているところでございます。 続いて、地域包括支援センターの事業評価に関するご質問でございます。平成27年の介護保険法の改正により、地域包括支援センターによる自己評価及び市町村による地域包括支援センターの事業実施状況の定期的な点検等に関する努力義務が規定されております。それに基づき市では現在自己評価の結果をもとに地域包括支援センターでの現地調査並びに同センター職員へのヒアリング等を実施しております。改善が必要と認められる業務については指摘、指導し、その改善状況についても報告を求めているところでございます。さらに、これらの結果を市民やサービス事業者の代表、有識者等で構成する介護保険運営協議会に報告し、市民目線並びに専門的な視点で客観的に評価、点検を行っていただいているところでございます。 また、今年度からは厚生労働省により地域包括支援センターの事業評価を通じた機能強化を図るため、全国で統一して用いる評価指標が初めて策定され、地域包括支援センターに対する評価とあわせ市町村のかかわりについても点検をすることになりました。これによりさらに広い視点で市と各地域包括支援センターの連携状況の把握や達成度合いが低い業務分野の解消に向けた分析等が可能になると考えているところでございます。これらについても今後運営協議会へ報告し、評価、点検を行っていただき、公平性、中立性の確保や効果的な取り組みの実施を図るとともに、不十分な点については業務改善を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいまは答弁をいただきまして、上田市のさらなる取り組みを期待したいと思います。 それでは、最後の質問で消費者教育についてお聞きしてまいります。私の思いを込めてお聞きしますので少々長くなりますが、質問時間内でお聞きしますのでよろしくお願いいたします。 近年ネット社会の進展に伴った消費者トラブルが相次いでいます。高齢者のみならず、知識や社会的経験が乏しい子供や若者が多くのトラブルに巻き込まれています。消費者白書によりますと、未成年に関する相談件数が2010年度以降毎年約2倍のペースで増加している現状があります。スマートフォンでインターネットを利用して個人情報を安易に入力して被害に遭ったり、オンラインゲームなどで思わぬ課金を背負い込むなどということもあります。私も何件か保護者から市民相談を受けました。最近は子育て中の母親たちからもっと早く学校教育の中で年金のことや金融教育、つまり消費者教育ですが、それを受けていればいろいろな人生の選択のときの参考にできたとの声もお聞きしました。高度情報化、グローバル化が進み、消費者の生活環境が多様化、複雑化しています。また、今後現金を使わないキャッシュレス化でスマホ決済などが進むことも予想される中で、子供や若者が一人の消費者として安全に自覚を持って行動できるように、早期からの消費者教育を充実させることが喫緊の課題になっていると考えます。 消費者教育は家庭で行うことも重要ですが、共通して身につけるべき知識として適切かつ体系的な消費者教育については特に学校において行われることが重要だと考えます。学校教育の現場は将来において自立的かつ安全に生活していく人間力の基礎を涵養する場でありますとは教育基本法第5条です。考えようによっては私は、生きる力を身につけるためには受験の知識以上に消費者力を養っていくことはとても大切だと考えます。 しかし、残念ながら消費者教育がまだまだ学校現場で正面から受け入れられていない場合が多いように思います。平成24年には消費者教育推進法が施行されましたが、一昨年の消費者委員会の提言では、教育委員会における消費者教育の実施や消費者行政部局との連携は十分とは言えないと指摘し、消費者教育の充実、強化のためにはなお一層の工夫と努力が必要としています。上田市においても各教科の中で取り組んでいただいていることと思いますが、その状況はどうでしょうか。子供たちに具体的にどの段階で、いかなる教材を用いて何を学ばせるかという消費者教育の充実は、若者を賢明な消費者に育て上げ、消費者被害からみずからを守るとともに、社会や環境にも配慮できる自立した市民につなげることになると思います。 そして、子供は大人に学び、大人をまねて成長します。周囲にいる大人が皆賢明な消費者としての知識を身につけて行動しているとは限りません。自戒の念を込めて私もそうでございます。今日の消費者問題が日々変化し複雑化している現状を考えると、専門家の力をかりて子供の発達段階に応じた消費者教育を子供とともに学び、考え、行動していくことも重要です。そのためには、学校と家庭を結びつけるPTAの役割も重要だと考えます。消費者教育を効率的、適切に行うためには、消費者教育専門のコーディネーターを活用し、関係機関との連携を図ることで学校の教職員の負担も軽減できます。 消費者教育はメディアリテラシー教育にもつながります。ネット社会を生きる子供たちが大人になって失敗して身につけるものではなく、子供のうちから段階的に学んで初めて身につくものと考えます。10年ぶりの学習指導要領の改訂で2020年から小学校でも売買契約の基礎や消費者の役割を学ぶことになっていますが、今からしっかりと準備をしながら、スピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。 そこで、消費者教育に対する教育長の見解と今後どのように取り組んでいくのかをお聞きして、私の最後の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) ただいま消費者教育についてのご質問をいただきました。 義務教育の基本は、教職員がさまざまな教育活動を通じて子供たちに将来自立していくために必要な力を身につけさせる、そういうところにあると考えます。ただ、AI化の進展によりまして近い将来には現在の仕事の半分以上がAI化されると予測されたり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、現金ではなくカードや電子マネーによる決済が加速することなどが考えられます。今の子供たちが大人になるころの社会は現在の常識や感覚が通用しない社会になるのではないかと私は感じております。これからの時代を子供たちがたくましく生き抜くためにも、自分で考え、自分で判断し、正しく行動できるような、そんなことを子供たちに育てていくことが大切であると思います。 さて、議員ご指摘のように、将来を見据え、この時期に正しい消費者意識、金銭管理を学ぶことの意義も大きいと思っております。現在小中学校におきましては、学習指導要領に基づきまして、平成23年度に小学校の家庭科において、中学校は平成24年度に社会科と技術家庭科において目標等を定めておりまして、教育活動を行っております。例えば、小学校の家庭科につきましては、物や金銭の大切さに気づき、計画的な使い方を考えること、身近な物の選び方、買い方を考え、適切に購入できること等が目標に定められております。また、先月11月22日ですが、中塩田小学校におきまして、子供の生きる力と金銭教育をテーマに公開授業と講演会が実施されたところでございます。2020年度からの次期学習指導要領において、小学校では家庭科の授業で売買契約の基礎が加わっております。現在のところ中学校では平成24年完全実施となっておりますが、社会科公民で金融などの仕組みや働き、消費者の自立支援などを含めた消費者行政、技術家庭科では自分や家族の消費生活に関心を持ち、消費者の基本的な権利と責任について理解することとなっております。今後中学では技術家庭科の授業で計画的な金銭管理や、先ほど議員ご指摘のように、消費者被害への対応の項目が新たに加わります。消費者教育につきましては、学校で身につけるべき内容を児童生徒がしっかり学ぶことができるよう準備していく必要があると考えております。 消費者教育を児童生徒が身近な問題として学べるように授業を工夫していく必要がありまして、教育委員会といたしましても次期学習指導要領の開始に向けまして、さまざまな消費者相談に応じている消費生活センターなどの関係機関とも連携しまして、消費者教育の推進に取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          午前11時56分   休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第12号、市政について、池田議員の質問を許します。池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) それでは、通告に従って順次質問いたします。 昨今我が国内においてIR法の成立を受けて、カジノなどのギャンブルにのめり込むギャンブル依存症のことが大きく取り上げられておりますが、依存症にはこのほかにもアルコール依存症、薬物依存症などが代表的なものとして挙げられます。そもそも依存症とは何か。厚生労働省では特定の物質や行為、過程に対してやめたくてもやめられない、ほどほどにできない状態のことをいわゆる依存症というふうに定義づけておりますが、きょうこの一般質問で取り上げたいと思っておりますのは、新たな依存症、いわゆるネット依存症ということについてであります。 先ほど申し上げましたギャンブル、アルコール、薬物等は法律によって年齢や使用対象者に制限がかけられているのに対し、インターネット使用については法律の規制を受けない、いわば完全フリーの状態に置かれているということがこのネット依存症が広がる最大の問題点であることを指摘したいというふうに思います。 厚生労働省の研究班によりますと、病的なネット依存が疑われる中高生が5年間でほぼ倍増し、全国で93万人に上るとの推計を発表いたしました。全国の中高生の数が650万人、そのうちの7人に1人がその依存症の状況にあるという計算になります。もう少しわかりやすく35人のクラスであるならば、このクラスのうちの5人がネット依存の状態になっているという数字になるわけです。中学生では高校生よりもスマートフォンの所有率が低いのでこれほどの割合にはならないのではないかなと、そういうふうに思うわけですけれども、いずれにしてもネット依存症が増加していることに変わりはありません。 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターが今のところ我が国では最も先進的なネット依存治療を行っている病院ですが、ここの樋口進院長によりますと、ネット依存になると、体や心といった健康面や家族や社会といった人間関係に問題を起こします。特に問題なことは、心身面では昼夜逆転の生活による睡眠障害やネット環境がない場合にいらいらしたり無気力になったりする、ネットの過剰利用から生じる高額な課金によって鬱状態に陥る、また家族的、社会的問題では、家族がネットを強制的にやめさせたり注意をしたりすると、暴言、暴力を振るうなどして家族関係が悪化する、学生の場合はネットを優先してしまい、遅刻、成績不振、不登校などになる、中には退学しなければならなくなったケースもあるようです。これは日本だけの問題ではなく、ネット依存は世界的に問題となっており、世界保健機関WHOはことし6月、オンラインゲームなどのやり過ぎで日常生活が困難になるゲーム障害を依存症の一種に加えたというふうに発表いたしました。 さて、こうした状況を踏まえて以下質問いたします。1つ目として、市内の小中学校においてネット依存状態にある児童生徒数を把握しているかどうか、またネット依存状態から不登校に陥りやすいという報告がある中で、市は不登校の児童生徒はどのような理由から不登校になったと分析をしているのか。 2つ目として、ネット依存の把握、分析が仮にできていないとするならば、不登校の状況から推察するしかありません。5年前と比べて不登校となった児童生徒数はどうか、また不登校を解消した児童生徒数はどうか。 以上についてお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) 最初に、ネット依存状態にある児童生徒数についてお尋ねがございましたが、教育委員会ではこれまでにこの数につきまして把握はしておりません。 次に、不登校の理由といたしましては、昨年度の状況では、小学校では生活環境の変化や親子関係など家庭を要因とするものが全体の半数を超え、以下学業の不振、友人関係と続いております。中学生では学業の不振、家庭を要因とするものが全体の半数を超えております。なお、ネット依存が不登校の直接的な原因かどうかは不明でございますが、毎月小中学校から報告される報告書や教育相談所からの情報では、ゲームやインターネットに集中し昼夜逆転の生活となって、結果として登校できない児童生徒が報告されております。以前は男子中学生にその傾向が強く見られましたが、最近は小学生や女子中学生にも同様の報告が見られることから、当市におきましてもネット依存とされる児童生徒は増加しているのではないかと推測するところでございます。 続いて、不登校児童生徒数について申し上げます。年間30日以上の欠席者で、病気や経済的な理由によらない不登校の児童生徒数、過去5年前との比較でございますが、小学生は平成24年度は27人、児童総数に占める割合は0.27%でありました。昨年度は35人で、率といたしましては0.43%と増加しております。中学生は平成24年度は88人、生徒数に占める割合は1.94%でありましたが、昨年度は128人、率で2.99%とこちらも増加しております。 次に、学校による指導の結果登校できるようになった児童生徒数を申し上げます。こちらも過去5年間の比較でありますが、小学生は平成24年度で27人中15人、率にして55.6%でありましたが、昨年度は35人中10人で、率で28.6%でありました。中学生は平成24年度で88人中33人、率にして37.5%でありましたが、昨年度は128人中56人、率で43.8%となっております。年度によるばらつきはございますが、昨年度を見ますと半数以上の児童生徒が不登校のまま学期末を迎えるなど長期化の傾向にありまして、大きな課題として認識しております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 今教育長より答弁いただきましたが、ただいまの答弁の数字を聞いていると、不登校の実数というのは5年前と比べてやはりふえていると、その裏にネット依存がどの程度関与しているかということは今後の調査に期待したいというふうに思います。 学校現場では子供たちのネット利用についてさまざまな注意喚起や啓発を行っていただいてまいりました。ラインを初めとするSNSを使ったネットの中でのいじめ防止のこと、あるいはメディアリテラシーについてはこれまでも機会を捉えながら啓発活動をしていただいております。ただ、ネット依存症という新たな現象については、学校というよりはむしろ家庭の中でしか対策できない問題ではないのかなと、こんなふうに私は感じております。家庭内のことについて学校としても踏み込めないという部分を持ち合わせているからであります。そうはいっても、こういった依存症という病的な状態の広がりを放置することは社会的損失を広げることにほかなりません。薬物やアルコール、ギャンブルのように未成年者へのネット使用に制限を設けることや、未成年がネットを使う場合保護者の監督責任を明確に規定するなどの条例を制定するくらいの対策が必要になっているのが現状ではないのかなと、こんなふうに感じます。 そこで、以下質問いたします。1つ目として、ネットの過剰使用を防止するための新たな対策を市として考えているかどうか。 2つ目に、ネット依存症は心身面や家庭生活、社会生活に悪影響を及ぼすものであることを関係機関を通じて周知させる考えはないかどうか。 以上、答弁願います。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) ネットの過剰使用防止につきましては、これまで教育委員会といたしましてはメディア教育として児童生徒や保護者向けの啓発活動を行ってまいりました。具体的には、学校現場にICT支援員や情報教育の担当指導主事を派遣しまして、授業の中で情報機器の適切な使い方、ネットの怖さについての教育を行ってまいりました。情報機器を適切に使用することは今後さらに高度情報化時代の進展が予想される中、児童生徒がたくましく将来を生き抜いていくために必要なことと考えますが、やはり過度な使用は本来の学業に大きな影響を与えるものであります。 そのようなことから、教育委員会ではことし3月に作成し、全小中学生に配布した「スマホ・ネットをかしこく安全に使うために」のリーフレットの中で、親子によるルールづくりを呼びかける内容を新たに盛り込みました。また、ことし4月から全小中学校で活用を始めました生活・学習ノート「紡ぐ」に、児童生徒みずからが家庭でのメディアなどの使用時間を帰宅後の生活を計画し、その中でメディアの時間を自己規制する動きをとっております。その後は保護者とともに振り返る欄も設けて学校とその情報を共有するようにしております。「紡ぐ」の活用を通じて保護者の皆さんの協力もいただきながら、児童生徒みずからがメディアの使用時間を律することができるよう、今年度からの取り組み状況を検証しながら今後も新たな取り組みを検討してまいりたいと考えております。 ネット依存に関しましては、今後国でも実態調査が行われ、対策が講じられるものと承知しております。教育委員会といたしましては、先ほどもお答えいたしましたが、インターネットやスマートフォンの適切な使い方、長時間使用することの怖さを授業やリーフレットなどで児童生徒や保護者に呼びかけ、家庭における予防対策を中心に今後も取り組んでまいりたいと考えております。その上で関係機関や先駆的に取り組んでいる自治体の取り組みを参考に、効果的な周知方法も研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 答弁をいただいたわけですけれども、実はネット依存症というのは子供だけの問題ではありません。ギャンブル依存に似たところがあるオンラインゲームの過剰使用によって成人のネット依存症も増加していることが知られるようになってまいりました。こうした人たちは多くの場合ひきこもりに発展していくケースが多いと見られます。あるいは既に中高生の時代からひきこもりの状態があり、その状態が長期に継続しているケースもあります。 そこで、お尋ねいたします。上田市として大人のひきこもりについての現状を把握しているかどうか。特にネット依存症に起因する大人のひきこもりについての調査はどうか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) ご質問のございました大人のひきこもりについて、特にネット依存症に起因する大人のひきこもりについての調査につきましては、これまで上田市として行ってはおりません。なお、ひきこもりに関する実態調査につきましては、内閣府が平成22年度と27年度の2回実施をしております。具体的には、平成27年度の調査では、15歳から39歳までの方がいる5,000世帯を調査員が訪問いたしまして、本人や家族から外出の頻度、ひきこもりになった年齢ときっかけ、ひきこもりの期間など聞き取りを行っております。 この調査結果といたしまして、ひきこもりの方が全国で推定54万人に上るとの調査結果が公表されております。この調査結果によりますと、ひきこもり状態になったきっかけとしては幾つかございますが、学校への不登校、職場になじめなかった、就職活動がうまくいかなかった、人間関係のつまずき、病気の影響などなどさまざまであることが報告されております。また、ひきこもりの期間が7年以上と長期化している割合が全体の約35%である一方、過去にひきこもり経験があると答えておいでになる方のうち約40%の方が6カ月から1年未満でひきこもりを脱している実態も報告がされております。また、そのきっかけとしては、アルバイトを始めたことや、同じ経験をした人と出会えたことなどでありまして、このことからできるだけ早い段階での対応を行うことの重要性が確認されております。 こうした中、上田市ではその対策の一つとしてひきこもり家族教室を開催いたしまして、ひきこもりで悩んでいるご家族へ専門家によるアドバイスや情報提供を行う講習会や、家族間での交流あるいは情報交換等を行います交流会を実施しております。さらに、心理カウンセラーによるひきこもり個別相談も実施しておりまして、本人と家族の関係やかかわり方を見直していただく機会としております。 また、全国的にひきこもりの長期化や高齢化が深刻となる中、内閣府ではこれまで調査対象を39歳までに限って行っていた実態調査を今年度は初めて40歳から59歳までを対象として行うこととしております。 ひきこもりの現状を把握することは、まずひきこもっているご本人に直接会うこと、このことが非常に難しいことのみならず、個人や家庭のプライバシーの問題等もございまして容易でない部分もあると思われますが、国の調査結果や動向を注視しながら現状把握に努めるとともに、今後も適切な支援につなげていけるよう取り組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) ネット依存とひきこもりの明確な因果関係というのがはっきりしない中で推測でお話しするのはいかがかと思っておりますけれども、ここまではネット依存についての質問をさせていただきました。ネット環境に触れる年齢が学齢期に当たるということで、教育委員会を中心に答弁をいただいたわけですけれども、これはどの年齢層でも起こり得ることだというふうに考えていただきたいというふうに思っております。どの依存症にせよ、一たびその状況になると、本来生産年齢に含まれる人たちが社会的責任を果たせなくなったり、場合によっては社会保障の枠の中で支援を受ける側になっていく、つまり社会的損失の非常に大きな状況になるということを大変危惧いたします。どうか全庁的な連携のもとに対策をお願いしたいというふうに思います。 次に、福祉施策について質問いたします。日本国憲法第25条に、全て国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない、このように規定をされております。当然地方行政も国と連携を図る中で、市民が健康で文化的な最低限の生活を営む権利を保障していかなければなりません。 さて、ことし2月に市内で69歳の父親が43歳の息子を撲殺するという痛ましい事件が起こりました。この長男は20年間にわたりひきこもり状態にあり、父親は長男の暴力などに悩まされ、相談や支援を十分に受けることなく、悩みに悩み抜いたあげくの犯行だったということであります。最近8050問題という言葉をよく耳にいたします。ひきこもる子と親の高齢化が進み、親亡き後に残された子が情報やノウハウのない中で課題を解決できずに生きていかれなくなる、親子が80代50代あるいは70代40代を迎え、万一の事態になって直面するという課題であります。親の年金だけを頼りに親子ともども経済的に困窮をしていき、共倒れになってしまうという事例が全国的にも増加しているように聞いております。 そこで、お尋ねいたします。1つ目として、上田市内における中高年のひきこもりやニートの実態をどの程度把握されているでしょうか。 2つ目として、ニートは家族や親戚にも影響を及ぼす深刻な問題である一方で、家庭内の問題であることから把握しづらいという現状もあるようです。市として民生委員にはどのような対応を依頼しているのか。 以上、答弁願います。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 民生委員とのかかわりについてのご質問でございます。 ニート、中高年ニートという言葉がございますけれども、年齢が40代以上で、就職活動を行わず就業を希望しない無業者、いわゆる中高年ニートの問題が報道で取り上げられることが多くなってきているというふうに感じております。労働力確保や経済活性化の観点からもニート状態の40代、50代に対する社会的な調査の必要性と支援のあり方が全国的に議論をされ始めているところであるというふうに感じております。 中高年ニートあるいは先ほど来出ておりますひきこもりの問題ですが、家族がなかなか実態を明らかにしたがらない、あるいは本人も外に出ていかないということですから、なかなか表面化せずに、国、県、市の各レベルにおいてもなかなか正確な人数が把握できないというのが実情だというふうに感じております。 しかしながら、昨年度市が開設いたしました就労、労働相談、無料職業紹介を行う上田市版ハローワーク、就労サポートセンターにおいては、40代、50代の方が就労に関する相談等多く寄せられていることから、中高年のニートなどで悩んでいるご本人あるいはご家族の方が相当数いるのではないかというふうに推測をしているところであります。 ニートやひきこもりの状態にあるご本人あるいはご家族は、近年の核家族化や個人主義の風潮の高まりなどでなかなか地域のつながりを持てず、また周囲にも相談できず孤立してしまうケースもふえてきています。こういった状況下で地域の身近な相談相手として民生委員・児童委員の役割というものは大きくなってきているというふうに感じております。民生委員・児童委員は困っている方のさまざまな悩みあるいは相談にご対応いただくとともに、行政や関係機関と連携することで助言や適切なサービスが提供されるよう調整などを行っているところです。 特に活動として心がけている具体的な役割ということで幾つか申し上げたいと思います。1つ目としては、地域福祉のアンテナ役ということでございます。高齢者、子育て中の方、その他困っている方なども含めてさまざまな悩みや要望などを的確に把握するように努めていただいております。また、2つ目として、地域福祉の世話役ということで、相談者の方の立場や気持ちを大切にし、悩みを傾聴することで相談した方が少しでも前向きになれるような支援に努めていただいているところでございます。3つ目として、地域福祉の橋渡し役ということでございます。相談を受けたときには適切な行政機関や関係機関の窓口を紹介していただき、こういった点でも相談者の負担が軽減できるようパイプ役になっていただいております。 8050問題、先ほど議員からもご指摘がございました。新しい社会問題として浮上してきているということでございます。そういった方々、解決が簡単にできない問題を複数実際には抱えていらっしゃる、こういった中で民生委員・児童委員に期待される役割というのはますます複雑になってきています。各機関との連携により家族の悩みの軽減が少しでもできるよう努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) なかなか難しい状況もあるようですけれども、内閣府は2010年と15年に15歳から39歳を対象にひきこもりの実態調査を実施しております。先ほど小林部長も若干この件について触れられたかと思いますけれども、2015年の調査ではその人数が約54万1,000人、2010年の調査では69万6,000人から若干減ったものの、ひきこもりの期間は7年以上と答えた人が34.7%ということで、2010年の16.9%から倍増していたということであります。また、この調査は比較的若い年齢層、39歳までのものだったことから、本年度職場や学校に行かず長期間自宅にこもるひきこもりについて、内閣府は中高年世代を対象とした初の実態調査を行うということも既に決めておりまして、ことし秋ごろに実施するということですので、ひょっとしたらその調査は終わっているかもしれませんが、40歳から60歳前後までの5,000人とその家族にひきこもりの原因や期間などを尋ねる訪問調査を実施するということです。この調査には今後、恐らくそれは公にされることでしょうから、上田市においてもしっかりと注目、注視をしていただきたいなと、こんなふうに思っております。 ところで、平成26年に島根県健康福祉部が全県にわたる実態調査を行っておりました。その調査結果によりますと、40歳以上のひきこもりが全体の53%を占めるという内容でありました。ここからもひきこもりの高齢化、そして長期化の傾向がうかがい知ることができます。上田市では細かい実態調査行われていないということですけれども、この調査結果を踏まえて、これまで市の対応あるいは現場歩いていただいた職員さんが実際に感じ取った傾向という点において、やはり高齢化が進んでいるというふうにお感じになるかどうか、この辺についての答弁をいただきたいと思います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、上田市のひきこもり対策に対する取り組み状況について申し上げさせていただきます。 先ほどのご答弁でも申し上げましたが、上田市では当事者や支援者のお話を聞く講習会を通じまして、ひきこもり状態にあるご本人の理解とその対応について学んでいただいたり、交流会を通じまして同じ悩みを持つご家族同士がお互いの状況あるいは悩み等を共有し合う場といたしまして、ひきこもり家族教室を実施しております。年5回ほどの開催をしておるところでございます。この教室に平成29年度は年間50人の方が参加をされており、交流会では中高生の不登校の方から40歳代のひきこもりの方のご家族がそれぞれのご家庭での様子をお話しされるとともに、支援者である講師も話し合いに加わる中、かかわり方などの助言を受けたり、またひきこもりの経験者の方に体験談をお話しいただくこともあります。 参加者の方々に感想をお聞きすると、実体験などを聞くことにより子供の気持ちを理解したり、そのときどうしてほしかったのかなどの振り返りができてありがたかったなどのお声をいただく一方で、中には10年以上長期のひきこもりの方もおいでになり、ご家族の戸惑いと焦り、また先行きへの不安などが大きくなっている状況等がうかがえるケースもございます。また、月2回心理カウンセラーが行っておりますひきこもり個別相談においてはほとんどが家族からの相談でございまして、不登校からひきこもりになった方や、病気や障害があって就労がうまくいかなかった方、あるいは家族教室から相談につながった方などさまざまなケースに対応しているところでございます。 これらの具体的な対応として、相談者の状況により継続して相談を行っていく場合と関係機関へつなぐ場合とがございますし、就労を目指していても社会経験がない、または少ない39歳までの方につきましては、若者サポートステーション・シナノと連携を図ること、また40歳以上の方はまいさぽ上田などと連携するなど、個別対応等にそれぞれ必要な団体との連携をしております。また、発達障害など何らかの疾患の可能性がある方につきましては、上田保健福祉事務所で実施をいたします精神保健福祉相談や、思春期心理相談をご案内する場合もございます。 以上、市の取り組み状況について申し上げたところでございますが、議員のご質問でも触れられておいでになりましたが、上田市におきましてもひきこもりの長期化、あるいはご本人等の高齢化などに対する支援の取り組みが課題であると受けとめております。ひきこもりやニートのような社会的孤立状態が長期化している場合、問題自体が表に出づらく、家族や本人の疲弊により支援が困難となっていく可能性があります。市といたしましては、家族教室等の支援事業のさらなる周知に努めまして、相談窓口に来られない方々の潜在事例をできる限り掘り起こすとともに、新たな潜在事案をつくらないことが大切であると考えております。 こうした問題はすぐに解決に結びつくことは難しい実態がございますが、ご本人やご家族の困難さを受けとめつつ寄り添うことで、家族だけで思い悩まずに過ごすことができるよう、そして社会復帰や社会とのかかわりが断たれないよう、地道な取り組みとなりますが、継続していくことが必要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) ご答弁いただきました。 先ほどもちょっと触れました民生児童委員さんの件について次の質問に移ります。民生委員・児童委員はみずからも地域の住民の一員として、それぞれが担当する地域において住民の生活上のさまざまな相談に応じ、行政を初め適切な支援やサービスへのつなぎ役、先ほど近藤部長のほうからはアンテナ役、世話役とお話がありましたけれども、そのような役割を果たしております。ゆえに、地域の中で支援を必要としている人たちにとっては非常になくてはならない存在というふうになっております。 ところで、市民が家庭生活を送る中で困難を抱えている場合、人に知られたくないというたぐいの家庭内の事情を抱えているケースが多いのが現状であろうというふうに思います。当然民生委員さんたちは厳格な守秘義務を持つことから、相談の内容は厳守されるべきものであります。ただ、先ほど例示をしました2月の事件のように、20年間も困難を抱え込んでいる家庭内の状況を近所の人もほとんど知らなかったということからもわかるように、外にはわからないまま事態が深刻化していくということが起こり得ます。私は、地域の複数の民生委員さんとお話をする中で、ある方が家庭内の困り事はデリケートな問題だけに普通に生活している中ではなかなか把握し切れない、見えてこない、困難を抱える人は本当に心を開くことのできる相手でないと状況を話してくれない、ちゃんと信頼関係を築く必要があるのだけれども、どこに支援を必要とする人がいるのかが見えてこない、わからない、市がそういう情報を出してくれれば、日ごろから声がけをしたり、見守りにも行けたり、そういう中で信頼関係を築いていかれると思うのだが、個人情報だということで市からなかなかそういった関係した情報をもらいづらい、こんなお話を伺いました。 そこで、お尋ねいたします。1つ目に、民生委員は厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員であるということから、他の公的機関と情報交換するのと同じレベルで必要な情報を開示できないのかどうか。これは民生委員の仕事を円滑に進めるという観点からの質問であります。 それから、2つ目として、民生委員が地域の詳細な情報を得るために自治会の関係者と定期的に情報交換を行う場を設け、早期支援につなげる仕組みをつくるべきではないかと考えるが、どうか。 以上について答弁を求めます。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 民生委員・児童委員への情報開示という点でのご質問でございます。 個人情報保護法等の施行に伴い、全国的に関係機関や住民の皆さんからいろんな情報が入ってきにくくなった、あるいは民生委員・児童委員の活動にも支障を来しているという声が湧いているというふうにお聞きをしているところでございます。上田市といたしまして個人情報の開示基準といたしましては上田市個人情報保護条例がございます。この第9条では目的外利用及び外部提供の制限を規定している条項でありまして、市が保有している個人情報について、本人の同意があるとき、法令等の定めがあるとき、緊急かつやむを得ない理由があるとき、その他実施機関が審査会の意見を聞いて公益上特に必要があるときには、例外的に市が保有する個人情報を外部に情報提供できるというふうになっております。 現在個人情報の提供につきましては、65歳以上のひとり暮らしの高齢者の方、あるいは介護を必要とする方、等級が重い障害者の方など、要援護者からの同意等に基づいて自治会あるいは民生児童委員の皆様にも開示をしているところでございます。 なお、民生委員が国、県、市の常勤の公務員と同様に包括的な情報を閲覧すること、あるいは情報を取得することにつきましては非常に困難というふうに感じておりますが、実際に個別の支援を検討する会議では民生委員の守秘義務もございますことから、信頼関係もあり、個々の情報は開示をさせていただいているところでございます。 また、一部の地域では自治会等独自の信頼関係もあって、要援護者自身から直接個人情報開示の同意を得て自治会関係者や民生委員・児童委員などと情報共有をしているという例もあるというふうにお聞きをしております。 今後自治会関係者等にも毎月開催している各地区の民生委員・児童委員協議会定例会への参加を呼びかけたり、「広報うえだ」等により相談窓口あるいは民生委員・児童委員の活動を紹介することで、いろんな困難を抱える方が地域で孤立しないようにしていきたいというふうに考えているところでございます。 また、要援護者の情報につきまして、民生委員・児童委員と関係機関からどういった形で提供するかどうかにつきましては、長野県と長野県民生委員児童委員協議会で策定されているガイドラインの民生委員と守秘義務、民生委員に対する情報提供、民生委員から関係機関、住民等への情報提供など内容を踏まえつつ、引き続き検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員。          〔25番 池田 総一郎君登壇〕 ◆25番(池田総一郎君) 地域の中で困難を抱える人たちのセーフティーネットをより確実なものにするために、ぜひ民生委員さんとの情報共有、また情報提供を進めていただいて、困難を抱える当事者とそのご家族に的確な支援を届けられるよう取り組みを望みます。 次に、猛暑対策における学校の諸課題について3つお尋ねいたします。先月県教育委員会は来年度から学校の夏休みを延長することを前提として、各市町村教育委員会や各学校にその検討を促す方針であるという報道がありました。市内の各小中学校は2月中には、来年の年明けの2月ですね、2月中には夏休みの期間の決定も含め来年度の年間計画を決めることから、非常にタイトな時間の中での作業を進めなければなりません。 そこで、以下のことについて3点お尋ねいたします。1つ目として、教育委員会から各学校に夏休み期間の方針を示すのはいつごろになる見通しか。また、現場の声をどのように酌み取り、年間計画に反映させるのか。 2つ目、夏休み中の子供の居場所を確保するためには、地域や各種団体との連携や調整も必要となるわけですが、これについての見解はいかがですか。 3つ目、小中学校にエアコンを設置するという方針が示されたことから、学校現場には夏休みの延長は不要であるとの意見もあるが、これについての見解はいかがか。 以上3点答弁願いまして、私の質問を終えます。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) 夏休みを延長するか否かについてでございますが、県教育委員会が11月19日に開催した夏休み期間のあり方検討委員会において夏休みを延長する方向で各教育委員会に検討を促す方針が了承されたことは新聞報道にあったとおりでございます。県教育委員会からの正式な通知は年内に出されるということで、詳しい内容については現時点で把握してはおりませんが、上田市教育委員会といたしましても校長会に夏休みの延長について検討を始めるように指示したところでございます。授業日数、行事、休暇等の年間計画は学校長が決めるところでございますが、実施に当たってはさまざまな課題があるものと認識しております。 一番の大きな検討点といたしましては、高校入試の合格発表日の決定でございます。これは県が決めてくるものでありますが、3月の合格発表日をもとに前日に中学の卒業式を決めます。それによって小学校の卒業式も決まります。それで、小中学校では教科の時数が1,015時間というふうに決まっておりまして、そこへ行事を足し、それから予備の時間を足し、それで最終的に授業日数、登校日数が決まってくるわけであります。 いずれにしましても、県の方針、入試の日程が決まり次第、速やかに校長会と協議の上、教育委員会として方針を出す予定でございます。 夏休みの子供の居場所を確保することについてですが、現在でも留守家庭対策事業として児童クラブや学童保育所の放課後児童施設を利用していただいていますが、夏休みが延長された場合でも当該施設の利用ができるように対応してまいりたいと考えております。 最後のご質問ですが、エアコンを設置するため、夏休みの延長は不要であるというご意見ですが、おっしゃるとおりであるというふうに思います。先ほども申し上げましたとおり、県教育委員会の高校入試の発表日が決まらない限りこれは何ともいたし方ないところでございます。その発表日も考慮しまして、教育委員会として慎重に検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時44分   休憩                       ◇                                午後 2時00分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(5)学校教育について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第13号、学校教育について、松山議員の質問を許します。松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) 通告に従い順次質問させていただきます。今回の質問は、学校教育、特に小中学校の施設維持管理に関するこれからの上田市の基本的な方針について伺ってまいります。 全国の多くの地方自治体は人口減少や地域活性化の問題を抱えており、さまざまな施策を実施しておられます。その中で確実に成果が上がった先進地では、徹底した子供への教育環境、子育て支援の実践が多く報告されています。ことし8年ぶりに視察で伺った静岡県三島市では、子供中心の食育推進事業が地域の活性化につながり、約10年で驚くほどの活気が市内全体によみがえっておられましたし、会派で視察で伺った島根県海士町でも廃校寸前の地元高校へ全面的な支援を実施し、若者定住策から地域の活性化の担い手として高校生と協働し、さまざまな施策で成果を上げられており、そのモデルは島根県全体に波及し、地元高校の存続はもちろん、地域の活性化の新たな手法として注目されておられました。 このように先進地方自治体では子供たちへの投資、教育環境の充実を地域振興の起爆剤と考え、努力、実践する反面、国では財政問題や人口減少、超高齢化社会に向けたさまざまな対応を各地方自治体に求めており、その対策を熟考しながらみずからが方針を定め、慎重に推進しなければ、せっかく実施している各種自助努力が無駄になりかねない喫緊の課題が山積しています。 その一つに公的施設の長期的な経費削減を目指した公共施設等総合管理計画や立地適正化事業など、地方での公共施設の再編を推進する施策が実施され、各地方自治体の決断や実践力が問われているところでございます。多くの公共施設の中でも学校施設の占める割合は全国でも平均40%近くありまして、公共施設の集約、複合化や施設全体の延べ床面積の削減目標の安易な標的になりやすく、学校施設の老朽化問題なども加味しますと、小中学校の統廃合についての議論が今後ますます活発になる可能性が高くなることが懸念されています。 上田市でも学校施設に関する長期的な運営方針をこのような国からの指導を加味しながら議論を進めていかなければならず、十分な検討はもちろん、市民の皆さんへの情報提供と議論を進めて、上田市として最善の方法を導いていかなければなりません。土屋市長は選挙公約に掲げた上田再構築プランの7つの挑戦の中に、子育て、教育、自治協働を重点項目として挙げておられます。これらの挑戦の成功に欠かせない要因の一つは各地区の学校を中心とした教育環境の充実であり、学校単位のつながりは市民協働で欠かせない最も大切な地域コミュニティーの基盤ではないでしょうか。このような思いを持って、まず現状として上田市として小中学校の統廃合に関してどのような見解をお持ちなのか伺います。 また、全国で議論が活発にされている施設一体型小中一貫校及び義務教育学校に関する検討に関して、現状の考えと今後の方向性を伺い、私の第1問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 小中学校の統廃合の見解についてご質問をいただきました。 我が国は平成22年をピークに本格的な人口減少社会に転じ、少子高齢化の進行により顕著な経済成長が困難な時代を迎えております。これからは経済成長重視の成長社会ではなく、国民の精神的な豊かさや生活の質の向上、個人の自立やコミュニティーの再生等を重視する成熟社会へ転換していく必要があると言われております。さらに、少子化によって小中学校の児童生徒数は減少を続け、これに伴う学校の小規模化が進んでおり、また高度経済成長期に建てられた学校施設は老朽化によって今後多くの改築需要を迎えることが見込まれております。 このような背景のもと、少子化に対応した学校規模の適正化は全国的にも大きな課題となっておりまして、公立小中学校の設置者であります市町村においては主体的な検討を行うことが求められております。上田市におきましても、小中学校の児童生徒数は、昭和57年の2万1,941人、これは合併前4市町村の合計の数字でございますが、こちらをピークに減少を続けておりまして、平成30年5月1日時点の児童生徒数1万2,302人と、ピーク時と比べまして9,639人の減少となっております。また、今後も児童生徒数の減少が見込まれていますことから、適正な学校規模の検討が重要な課題となっていることを市としても認識をしております。このため、統廃合や施設の合理化といった観点だけではなく、今後望ましい教育のあり方を含めまして、ソフト、ハード両面から検討してまいりたいと考えております。 次に、施設一体型小中一貫校及び義務教育学校に関する検討についてのご質問でございますが、文部科学省では小中一貫教育の基本形として、1人の校長と1つの教職員集団のもとで一貫した教育課程を編成、実施する9年制の学校で教育を行う形態を義務教育学校と呼び、組織上独立した小中学校が義務教育学校に準じる形で一貫した教育を行う形態を小中一貫型小中学校、いわゆる小中一貫校と位置づけております。この義務教育学校、小中一貫校のいずれにおきましても、施設一体型や施設隣接型、施設分離型といった施設形態がございます。これらの教育形態や施設形態にはそれぞれメリット、デメリットがございますことから、教育委員会の重要政策課題として昨年度から進めております今後の小中学校のあり方の検討の中で、先進事例も参考にしながら慎重に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕
    ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。これから今ご答弁にありましたように、あり方検討委員会でしっかり議論していくということでございます。 次の質問は、そのあり方検討委員会に関する質問に入ってまいります。これから約2年間が小中学校統廃合や学校施設等に関する運営方針が本格的に検討されていくと考えております。そこで議論される素案に対するある程度の方向性を導くための意見集約が必要であり、間もなく上田市小中学校のあり方検討委員会が組織され、慎重な審議が始まると伺っております。この委員会はこれからの上田市を担っていく次世代に対して極めて重要かつ深い影響を及ぼす大変重要な役割を担っていただくわけであります。そこで、非常に重要になってくるのがこの委員会構成ではないかと思います。できるだけ広範囲から万遍なく教育に関係する方々にご参加をいただき、適切かつ活発な議論を期待するところでございますが、この委員会構成についてはどのような方針で決定され、具体的な人選に関してどのような配慮や期待を持って決定されたのか伺います。 次に、ご承知のように、この委員会の前段として上田市小中学校のあり方研究懇話会が合計4回の開催から導いた小中学校の中長期的な改革の方向性に関する提言書をことし3月に提出していただきました。私も興味を持って拝見いたしましたが、大変な課題を短期間にまとめ上げ、これから避けて通れない重要な課題に関して大胆な提言をいただいております。その提言書をもとに次の段階として基本方針策定を目標に約2年間の検討期間で今後の上田市における望ましい教育の方向性についてソフト、ハード両面から検討する予定とのことですが、上田市としてこの提言書を今後どのように位置づけ、活用するのか、方針を伺います。また、その中で適正な学校規模や小中学校の統廃合、また今後の学校施設に関する議論の検討方針や検討内容はどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 上田市小中学校のあり方検討委員会の委員構成の方針、配慮や期待についてご質問をいただきました。 この上田市小中学校のあり方検討委員会は、少子化に伴う小中学校の小規模化への対応に向けまして平成29年度に設置しました上田市小中学校のあり方研究懇話会からの提言を踏まえた小中学校のあり方に関する基本方針を策定するために設置をいたします有識者による検討組織で、近く委員会を立ち上げ、検討を始める予定でございます。議員ご指摘のとおり、この委員会は上田市の小中学校のあり方という大変重要事項を検討事項とするため、より幅広いご意見をいただきながら慎重かつ活発な議論をいただくため、委員の構成におきましても教育分野を初め各方面から選出を行う予定でございます。委員数は12名で、昨年度の懇話会の委員構成に加えまして、保護者の代表や地域の代表など、より広範な市民の参画に配慮しております。委員の皆様には懇話会からの提言の趣旨を踏まえて、それぞれの専門的なお立場からよりよい上田市の学校教育の創造に向けて活発なご意見、ご提言をいただくことを期待するところでございます。 次に、上田市の教育の方向性の基本方針を検討する際、上田市小中学校のあり方研究懇話会の提言書をどのように位置づけ、活用するのかというご質問でございますが、この懇話会では単なる施設整備の議論にとどまることなく、時代の先を見据えながらソフト、ハードの両面から教育内容を含めたトータルな小中学校のあり方について検討して、将来の上田市を担う人材育成について検討すべき時期を迎えているということが底流に流れる問題意識となっております。この問題意識を踏まえまして、提言書では懇話会における議論の中から小中学校のあり方の検討体系として5つの項目を主な柱として位置づけております。1つ目の柱は、どのような子供を育てたいのかという「目指す子ども像」、2つ目は、「目指す子ども像」を実現するための上田市としての特色ある教育、3つ目は、子供たちの育ちを切れ目なく一貫して支援するための縦の連携、4つ目は、学校、家庭、地域などが連携をして子供たちの育ちを支援するための横の連携、5つ目が学校の小規模化に対応するための学びの環境でございます。 上田市小中学校のあり方研究委員会においては、この5つの柱に基づき検討を進めるとともに、学習指導要領の改訂に伴う新たな教育課程への対応や、先ほどお話がございました小中一貫教育あるいはコミュニティスクールなど新たな学校組織のあり方、学校の適正規模、適正配置の推進など、教育を取り巻く現状と課題を踏まえた望ましい教育の方向性として基本方針を策定してまいりたいと考えております。 次に、提言書の中で適正な学級規模や小中学校統廃合あるいは今後の学校施設に関する議論の検討方針、検討内容についてのご質問がございました。上田市小中学校のあり方検討委員会では、平成27年1月に国から示されました公立小学校・中学校の適正規模適正配置等に関する手引なども参考にしながら、大規模校や小規模校の利点や課題、望ましい通学条件などについても検証を行い、適正規模や適正配置の検討を進めていく予定でございます。また、学校施設というハード面の検討におきましては、小中学校の建設は1校当たり多額の事業費が必要となりまして、将来への大きな負担となることから、今後ますます厳しくなることが想定されます国や地方の行財政運営を踏まえまして、数十年先を見据えた慎重な検討が必要であると考えております。 いずれにいたしましても、成熟社会に突入した現代におきましては、新たな教育のあり方に対応した持続可能な制度として、ソフト、ハード両面からも子供の成長にとって真に望ましい学びの環境という考え方を基本姿勢として進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。委員会が懇話会のメンバーの方に新たに保護者、地域の代表を加えて12名ということで、すばらしい方たちが集まってまた議論いただけるのかなと期待するところであります。 また、具体的に5つの方針、柱、こういうものをしっかり実現できるような内容に昇華していただいて、そしてご答弁にもありましたように、上田市の子供たちが将来すばらしい人材に育っていく、そして上田市に誇りを持っていただけるような方針をしっかりつくっていただきたい、そのような思いで聞いておりました。 次の質問に移ります。次に、具体的な上田市の学校施設の維持管理に関する質問をさせていただきます。これから公共施設管理計画を踏まえ、全国の市区町村に対して所有する各種公共施設ごとの今後の管理運営方針を具体的に詳しく定めた個別施設計画を2020年までに策定しなければなりません。この計画は今後人口減少を踏まえ、差し迫る公共施設の更新の増大から成る費用削減などを目的に、段階的に効率よく公共施設を更新することを目的としています。ある程度公共施設の統廃合を進めて削減目標の達成を促すわけですが、そこで心配なのが安易な学校の統廃合であります。公共施設マネジメント基本方針によれば、上田市の対象になる公共施設の総延べ床面積は75万4,500平米であり、そのうち市内小中学校36施設の延べ床面積は25万7,942平米と、実に全体の34.2%を占めています。学校の統廃合は削減目標達成に関しては非常に効率的であり、手のつけやすい方法であることが明確であります。現在上田市は公共施設カルテの名称で同様の調査研究を進めていると伺っております。 まず、この公共施設カルテは国が推進する個別施設計画に該当するのか、確認をさせていただきます。また、現在の調査研究の進捗状況と具体的な調査方法や評価基準などはどのようなものかも伺います。 次に、この公共施設に関する調査研究はこれからの市政運営に関しても大変重要な資料であり、多くの市民の皆様へも公開し、その資料をもとにこれからの上田市の方向性を具体的に検討する大切な指標になると考えます。その内容は的確で、誰でも理解しやすいよう工夫して作成すべきと考えますが、いかがでしょうか。作成方針や公開目標時期について伺います。 学校施設に関する個別施設計画策定は、その地域への影響力を考慮して文部科学省は学校施設長寿命化計画の早期策定を推進しておられますが、非常に繊細な課題であり、全国では小中学校の統廃合問題とも連動して住民運動などに発展することも多く、なかなか進んでいない状況です。しかし、私はそれだからこそ学校施設に関する判断材料を早期作成し、広く公開する中で住民及び関係者の方々との議論を深めるべきと考えます。ぜひそのためにも早期の学校施設長寿命化計画の策定は必要と考えますが、上田市の見解を伺います。 また、特にその策定の際には各学校施設ごとの維持管理費用について可能な限り想定される複数の条件を考慮した長期的なシミュレーションを行う必要性があると考えますが、そのような計画はあるのか、また現状ではどのような内容を検討しているのかを伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 現在市で進めております公共施設カルテの作成は、上田市公共施設マネジメント基本方針にのっとり、今後策定を予定しております長寿命化計画策定のための基礎資料ということで、建物ごとに建築年度、構造、面積といった基本的な情報に加え、耐震改修の状況ですとか、これまで実施をしてきました改修費用を集約しているものでございます。したがいまして、この公共施設カルテ自体は国が求めます個別施設計画には該当せず、今後策定を予定しております長寿命化計画がこの個別施設計画となります。 次に、現在の調査研究の進捗状況と具体的な調査方法、評価方法についてお答えいたします。教育委員会では公共施設カルテの学校版に当たります学校施設カルテもあわせて作成しておりまして、この学校施設カルテに記載する基本的な情報についてはおおむね作業が完了しておりますことから、今後有資格者による建物の老朽化度や破損状態を4段階で判断する外観チェックや過去の営繕、改修履歴から将来の維持管理に係る費用のシミュレーションを行っていく予定でございます。 次に、個別施設計画についての作成方針、公開目標、時期、あるいは早期の学校施設長寿命化計画の策定が必要と考えるがどうかというご質問をいただきました。長寿命化計画は中長期的な視点から将来にわたって持続的に安定した施設の維持管理を行っていくための計画となることが求められていることから、単なる改修方法の検討にとどまらず、財政面でも将来必要となる費用を平準化するなどして着実に計画が進められる内容となることが求められております。教育委員会といたしましても、今後実施すべき調査等を着実に実施する中で、国が求める個別施設計画として2020年度までに長寿命化計画を策定して公表してまいりたいと考えております。 続きまして、学校施設ごとの維持管理費用について、可能な限り想定される複数の条件を考慮して長期的なシミュレーションを行う必要があると考えるが方針はあるか、また現状はどのような内容を検討しているかのご質問でございます。今後でございますけれども、施設の経過年数、あるいは過去の改修履歴、建物の状態を見きわめる中で、施設ごとに長寿命化改修や大規模修繕あるいは改築といったようなさまざまな整備手法を検討する中で、これらを実施する際の財政シミュレーションを行うことで中長期的な視点に立った計画を策定してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。公共施設カルテは2020年予定している長寿命化計画をつくるもととなるものであり、それが基本となってこれからいろいろな議論がされていくということでした。特に大変うれしかったのは、学校施設カルテというものはもう既に完了しているということで、これから検討委員会のほうでもこれをもとに検討されますが、一日も早い各地区の学校の関係者の皆様にこの学校施設カルテを開示していただいて、議論が深まることを期待しております。 次の質問に移ります。今もいろいろな情報の準備を進めていただいているという中で、各地域で有効かつ直接的な自治運営を行う最適な規模は小学校区を中心とする徒歩圏内範囲ではないでしょうか。現在推進している地域内分権の規模も中学校区とほぼ同等の範囲であり、学校を拠点とする地域組織はその文化や歴史はもちろん、福祉や防災など日常生活に密着した強力な必要不可欠なコミュニティーとして存在しています。そのため、学校運営方針や施設管理などに関しては非常に敏感に反応される方が多く、慎重かつ十分な検討及び議論が必要であります。これから策定される学校施設に関する計画や方針に関する情報はできるだけ早く、わかりやすく、正確かつ十分に市民の皆さんへ提供する必要があると考えます。 そこで、1として、児童生徒の減少や効率的な財政運営を見据え、学校施設に関する今後の方針などを市民へ示す必要があると考えますが、見解を伺います。 2として、通学区ごとに歴史や状況が異なることから、学校施設に関する今後の方針については各学校区ごとに丁寧で慎重な市民との対話が必要と考えますが、その実施時期や実施方法については検討しているのか伺います。 3として、学校施設に関する今後の方針を市民に理解してもらうための機会や情報提供をするとともに、十分な周知期間を設けるなど活発な議論をするための計画はあるのか。 以上3点を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 最初に、今後の方針などを市民に示す必要があると考えるがどうかというご質問、また通学区ごとに丁寧で慎重な市民との対話が必要と考えるが、実施時期や実施方法などの検討はしているのかというご質問でございます。教育委員会では今後長寿命化計画や小中学校のあり方についての基本方針などの策定を予定しておりますが、議員ご指摘のとおり、こうした計画等については関係者の皆様を初め市民の皆様にお示しし、ご意見をいただくことは大切であると考えております。こういったことから、これから策定をします小中学校のあり方についての基本方針を踏まえて、2020年度以降中学校区別の検討ということで、各地域の皆様にご参加をいただいて、地域でその地域の学校のあり方についてご意見をいただきたいと考えております。 次に、今後の方針を市民に理解していただくための機会、情報提供あるいは周知期間を設けるなどの質問でございます。今後の方針あるいはそれぞれの計画等につきましては、しかるべき時期に情報提供等を行うとともに、十分な周知期間の確保、検討時間を設定いたしまして、丁寧かつ慎重な議論が行えるように今後も心がけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。2020年をめどに中学校区ごとに意見を広く伺っていくということでございます。また、委員会も含めて基本方針が固まった段階で順次多くの皆様にご意見を伺うということでございます。ぜひこの問題はしっかり対応していただかないと、全国でこのボタンのかけ違いで皆さんたちとの誤解を生むことが多くなります。この辺十分に気をつけて推進していただきたいというように思います。 次の質問に移ります。上田市公共施設白書において老朽化施設の現状の中で、学校施設の延べ床面積の割合では52.6%が築後30年以上経過しており、今後順次大規模改修及び建てかえの必要性が高まると報告されております。学校に通う子供たちの人口が急激に減少する中で、多額の施設維持、更新費用が必要となってくるわけであります。そこで、いかにしてこの課題に対して対応していくのか、大いに議論する必要はありますが、現実的には国がこの問題に対して支援する各種施策を活用しながら、確固たる方針を固めた上でうまく対応することが必要であり、そのためにも上田市がしっかりした方針を定めた上で国の各種補助制度を積極的に活用することが必要だと考えます。 私は、安易な学校の統廃合はせず、学校を地域拠点の中心として他の公共施設との集約、複合化や施設の長寿命化を最優先に検討すべきと考え、昨年度創設された公共施設等適正管理推進事業債のような制度を積極的に活用すべきと考えております。ご承知のように、今年度からユニバーサルデザイン化事業など大規模改修工事に関しても範囲が拡大され、充当率90%、交付税措置率30%以上と大変有利な起債であります。しかし、平成33年度までと期間が限定されており、上田市として早期に活用すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、施設の長寿命化についても教育施設を高品質化し、現状の施設耐久年数60年想定を改め、80年以上の長期活用を検討する考えはどうか伺います。並行して、学校施設と他の公共施設との複合化や共有、区分利用化など避けては通れない人口減少及び生徒の減少に対応しながら、効率的に学校施設を中心に据えた地域公共施設整備も含めた長期的な視野のもと検討はされているのか伺います。 近年の計画的な上田市の学校施設建てかえ事業では、各校の関係者による要望などを十分加味して特色ある施設になっておりますが、教育環境の均等化や今後の費用削減のために、上田市として学校施設の基本設計や設備の共通化などを策定、地元建材の積極的な活用を含めて一定の学校施設基準方針の策定は検討しているのか伺います。また、費用負担の軽減や削減に向けては、学校施設の更新に関しても近年積極的にPPPやPFI方式など民間活力を導入する先進事例がありますが、上田市はどのようにお考えか。 以上5点一括で伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 最初に、公共施設等適正管理推進事業債のような有利な起債を活用すべきと考えるがどうかというご質問でございます。議員ご指摘のとおり、市内の学校施設が市全体の公共施設に占める割合は約35%ということで、最も多い割合を占めておりまして、そのため施設の維持管理費用につきましても多額の予算が必要な状況でございます。教育委員会といたしましても、施設の維持管理費用の抑制は大きな課題となっておりますことから、可能な限り公共施設等適正管理推進事業債のような有利な起債を活用することによって事業実施時における一般財源の支出を抑制するとともに、後年度においても財政負担の軽減を図る必要があると考えております。 公共施設等適正管理推進事業債の活用につきましては、長寿命化計画を策定することが要件となっておりまして、また2021年度までという期限つきの制度でありますことから、現時点において活用することは困難であると考えておりますが、国庫補助金や起債の活用など財源確保には十分留意してまいりたいと考えております。 次に、長寿命化により施設の使用を60年想定から80年想定ということにつきましては、建築から30年以上が経過した建物が約半数を占め、今後改築のピークが重なることが予想されますことから、この改築のピークを分散するという意味でも大変有効な手法であると考えております。 続きまして、他の公共施設の複合化、機能集約などにつきましても、上田市公共施設マネジメント基本方針を踏まえて個別具体的な検討の中で考慮する必要があると考えております。 次に、教育環境の均等化、費用削減のため上田市として学校施設の基本設計設備の共通化、地元建材の積極的な活用について、またPPP、PFIなどの民間活力の導入についての考えでございます。先ほど申し上げたとおりでございますが、施設の維持管理には多額の費用が必要となりますことから、施設の長寿命化とあわせまして経費削減の観点から、施設整備に当たりましては統一的な仕様に基づく標準的なモデルを作成し、また汎用性が高く、調達が容易な部材を多く取り入れていく必要もあると考えております。加えて、地域の活性化に資する取り組みとして、例えば地元産建材を使用することで地域経済の活性化を図ること、あるいは民間事業者のノウハウや資金を生かした事業手法であるPFIを代表とするPPPの可能性などもあわせて研究していく必要があると考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。期限があり、またその準備が大変という中、これから長寿命化に関しては少しお金がかかっても60年ではなく80年、中には100年というようなことを検討できるというようなことを伺っております。そういうような部分もやはり個別に具体的に進めていく中、私は学校施設、これは大きな可能性を持っている、先ほどもお話ししたとおり、地域で非常に重要な場所に位置しておりますし、またいろんな部分を複合化していく中でも徒歩圏内で行ける最適な場所にあるということも踏まえて、より具体的に真剣に検討すべき課題ではないかなというふうに感じております。 また、学校のある程度標準モデルをつくっていただくということはご賛同いただいているようであります。そういう中で、やはり同じ上田市の子供たちが余り差がないようにしていくというのもこれから課題ではあります。その中でいかにハードではなくソフトにお金をかけていくかということも、より今度の委員会で検討していただきたいという思いがあります。 そして、ご答弁の中で民間活力の活用ということで検討していくというお話でしたが、私はもう利用すべきだというふうに考えます。全国でも多くの先進事例は学校施設に民間の活力を使うことで大規模な納期短縮、そして費用等も削減しておりますので、ぜひ検討していただきたいというふうに強く思います。 それでは、最後の質問に入ります。今回は特に小中学校の今後の施設管理、運営方針について伺ってまいりました。私は、現状の小中学校は全て存続しながら、課題のある学校施設の改修、建てかえを早期に実施し、学校を各地域の公共施設拠点として再認識して活用すべきと考えております。各地区のコミュニティーにおける小中学校の重要性についての上田市の見解を再度伺います。 また、くどいようですが、小中学校の環境整備に関する基本方針についての決意と、未来への重要な先行投資である教育環境整備に関する上田市の見解を伺い、私の一般質問を終了いたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) これまで小中学校は地域の防災、交流の場などさまざまな機能をあわせ持っており、長い歴史の中で地域住民の心のよりどころとなるシンボルとして地域コミュニティーの中心的な役割を担ってきた側面があると認識しております。一方で、少子化に伴い児童生徒数は今後も減少していくことが見込まれていることや、小中学校の整備には多額の経費を必要とすることから、次の世代に大きな財政負担として残すこととなります。 したがいまして、学校の小規模化における学びの環境としての学級数、児童生徒数の適正規模や適正配置の検討とともに、子供たちに残す財産としての検討が重要な課題であると考えております。小中学校の環境整備は地域の宝でもある子供たちの未来のためにも大変重要な投資であることは私たちの共通な思いでありますが、学校施設の老朽化に伴う改築需要を見据え、持続可能な行財政運営の確保を基本に、次世代のために過度な負担を残すことのないよう慎重な判断が必要であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松山議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時41分   休憩                       ◇                                午後 3時00分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)市政について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第14号、市政について、古市議員の質問を許します。古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) 通告いたしました2点について質問いたします。 まず、国民健康保険について質問します。日本では誰でも安心して医療を受けることができるよう、全ての人が何らかの医療保険に加入することとなっています。公的医療保険制度の一つが国民健康保険制度で、国民の4人に1人が加入していますが、現在構造的な危機に直面しています。中小企業の労働者が加入する協会けんぽなどと比べ国保税は非常に重い負担です。1人当たりの国保税はこの25年間で6.5万円から9.4万円に上がりました。同じ時期に国保加入世帯の平均所得は276万円から138万円に半減しています。所得は低いのに保険料は一番高いという実態です。そのため、国保税の滞納は289万世帯、全加入世帯の15%を占めています。国保は現在非正規雇用や無職の年金生活者らが加入者の8割近くを占め、全ての国民の命と健康を守る国民皆保険制度を支える最後のセーフティーネットです。高過ぎる国保税問題の解決は住民の命と健康を守るために国政と地方政治の重要な課題です。国保の危機に対し、全国知事会など地方団体は被保険者の負担が限界に近づいていると警鐘を鳴らし続けてきました。2014年には全国知事会が国保税を協会けんぽ並みに下げるため国に公費1兆円を投じるよう求めています。国保の危機打開には公費負担をふやす以外ありません。 日本共産党は11月1日、国民健康保険の危機打開のための政策を発表いたしました。1点目は、公費を1兆円投入して均等割、平等割をなくし、協会けんぽ並みに引き下げることです。この問題に対する市の見解を伺って、1問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 国費投入による保険税の軽減についてのご質問でございます。 国民健康保険制度が抱える年齢構成が高く、医療費水準が高い、所得水準が低いなどといった構造的な問題を解決するため、平成30年度から国保制度改革が実施され、県が財政運営の実施主体となり、市町村とともに国保の運営を担っております。この制度改革では新たな財政運営の仕組みを構築するため、先行して平成27年度から毎年度1,700億円、さらに平成30年度からは1,700億円が上積みされ、合計3,400億円規模の公費が拡充されました。この公費の拡充は30年度からの新たな仕組みの中で県に支払う国保事業費納付金の減額の要因として国保税率を抑えることとなり、結果的に被保険者の負担軽減につながるものです。全国知事会、全国市長会を通じて今後のさらなる公費拡充を含め国保制度に関する数多くの要望をしているところでありますので、その動向をまずは注視してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。 国保制度は所得がなくても国保税が発生するという制度です。日本共産党の政策の2点目は、生活困窮者の国保税を免除し、その費用を国庫で補う制度をつくることです。また、無慈悲な保険証取り上げや強権的な差し押さえをやめさせ、滞納者の実情に親身に対応する相談、収納活動に転換しますとしております。上田市におきましては、滞納対策として短期保険証を県内で一番多く発行しております。期間は6カ月が基本ですが、滞納状況によって1カ月から5カ月まであります。保険証は毎年10月から更新されますが、昨年10月1日現在の短期保険証の発行状況は、更新総数2万2,737件のうち2,213件でした。ことしの短期保険証の発行状況はどうか伺います。 私は、昨年の12月議会でも国保の問題を取り上げました。答弁の中で、昨年は短期保険証を1,133件10月1日現在とめ置きしましたが、12月議会での質問時には328件になっているとのことでした。しかし、12月末で1カ月から3カ月という短期保険証は期限となり、ことし1月1日現在のとめ置き数は457件だったということです。私は、質問の中でこの一番寒い冬を保険証がなくて過ごさなければならない市民はどんなに心細いことかと改善を強く求めましたが、答弁は相談の機会を確保するためとのことで、ことし6月議会でも同様の答弁でありました。 しかし、ことし10月のとめ置き件数は昨年と比べ大幅に減らしたとお聞きをしております。10月1日現在のとめ置き件数はどのくらいで、対応を決めるまでの経過はどうか伺います。また、直近のとめ置きの件数を伺います。 国民健康保険税を払いたくても払えないと思われる滞納者はそうしますとかなり限定されてまいりますので、市では国保年金課、収納管理課、福祉課が連携して臨戸訪問等を行って生活相談につなげていく取り組みが必要ではないでしょうか。現状と今後の取り組みの考え方はどうか伺って、2問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 保険証の窓口交付についてのご質問でございます。過年度の国民健康保険税に滞納がある世帯に対しまして、原則として有効期限を6カ月とする短期保険証を交付しています。その件数は、本年の保険証の一斉更新時期であることしの10月1日現在で1,891世帯でございます。このうち生活実態の把握と納付についてご相談をいただいた上で保険証を窓口で交付する対象の世帯数は211世帯となっています。この211世帯の抽出の方法でありますが、前年の所得の申告がないなど生活実態が把握できない方で、納付案内センターからの案内や督促状、催告書の送付などに対し一切の連絡がない方を中心としております。本年からは低所得による国保税の軽減対象世帯を外すなどして対象世帯を絞ってきているところでございます。なお、直近の11月末現在で未交付の世帯は136世帯、差し引き75世帯の方は窓口へお越しいただいて相談をしていただいたということになります。 また、臨戸訪問についてのご質問でございます。国民健康保険税を滞納している世帯に対しましては、過年度分の滞納者を中心に、先ほど申し上げた納付案内や督促、短期保険証の窓口交付など段階を踏んで行っているところでございます。9割を超える方が口座振替あるいは金融機関の窓口等で国民健康保険税を自主的に納付していただいている一方で、納付期限内に納付がされない方につきましては、納付案内センターによる納付案内、続いて督促状、催告書の送付、所得の未申告世帯に対しては、申告をしていただくことによって低所得である場合には保険税の軽減の対象となる旨の通知、窓口交付対象者の選定と来庁依頼の通知など、国保年金課、収納管理課が連携してきめ細かい対応をしているところでございます。 その一方で、これらの対応には多くの時間と手間をかけているのも事実でございます。このように必要な案内をさせていただく中で、法で定められた制度の趣旨と公平な税負担の観点から、まずは個々の事情についてみずから相談をしていただくことが大変重要と考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。短期保険証の発行件数はまだ多い状況でありますが、とめ置き件数昨年に比べまして1,133件から211件に大幅に減らしたということ、また11月末現在で136世帯まで減ってきているということ、これは超短期の保険証の発行も減ってくるということで、職員の皆さんの地道な努力の成果であり、大きな前進であると評価いたします。 しかし、来庁されない滞納者の中には本当に生活に困窮されている方もおられるのではないでしょうか。収納管理課では市税の滞納も含め個人の掌握はされており、臨戸訪問をされているのかもしれません。収納対策が目的ではありますが、生活実態の十分な把握が必要です。 滋賀県野洲市の市長は税金滞納を貴重なSOSと語り、ようこそ滞納いただきましたと言うそうです。税金や水道料、保育料、給食費を滞納する人が生活に困っていると感じたら、それぞれの課が連携して市民生活相談課に案内して支援する、市民の困窮サインにいち早く気づけば早く支援ができ、結果的にコストがかからず、確実な納税につながるということです。上田市におきましても一人も取り残さない温かな市政に、やろうと思えばできることではないでしょうか。 日本共産党の政策の3点目は、都道府県化による保険料値上げ反対です。来年度の国保事業の市町村の納付金について、11月19日の県の審議会では全体として1.26%増が提示されたとお聞きをしております。11月末には各市町村の仮算定額が示されたとのことですが、上田市の状況は昨年と比較してどうか伺います。 市は県が示した標準保険料率を参考にして条例で国保の保険税率を決定し、賦課徴収を行います。上田市の来年度の国保税は決して引き上げることがないように、そして高過ぎる国保税、少しでも下げることができるように基金の繰り入れ等も検討すべきと考えます。市の国保の基金残高は29年度に約6億円積み増しをしまして約12億8,200万円となっております。見解を伺います。 また、世帯の人数に応じて加算される均等割は低所得者への負担が重く、子育て世代など家族の多い世帯の保険税を上げる要因となってまいりました。子育て支援への逆行という批判の声が上がり、全国知事会などからも見直しが要求されております。この均等割につきまして、上田市は30年度2万2,400円です。29年度から100円下げております。均等割をもう少し下げる検討をすべきではないでしょうか。見解を伺います。 また、国保税額を決定するための今後のスケジュールはどうか伺って、3問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 最初に、生活実態の把握のための臨戸訪問についてご意見をいただきました。国民健康保険証の窓口交付は、差し押さえ等強制処分に至る前のやむを得ない滞納整理対策として、世帯の生活実態を把握し、滞納解消に向け納税相談をする機会を設けることが一番の目的となっています。先ほど申し上げましたとおり、多くの時間をかけ案内をさせていただいていますが、これに対して電話等による応答、来庁相談等一切いただけない場合など、納税の意思自体にどのように考えておられるのか、やむを得ない事例について適用しているところです。納税は国民の義務であり、期限内納付、自主納付が原則であると考えています。その一つ国保税は制度の存続をならしめるための根幹であります。窓口交付措置の背景に至る経過をご理解いただき、まずはご相談をいただきたいというふうに考えているところでございます。 続いて、納付金仮算定についての状況についてのご質問でございます。先日仮係数による来年度の事業費納付金が示されました。今回示された納付金はあくまで国の仮係数によるものであり、確定事業費納付金は12月末に示される確定係数で計算され、来年の1月中旬に決定する予定です。 今回示された仮係数による事業費納付金は約41億円でございますが、算定内容が一般被保険者分のみで、退職被保険者分を含んでいないこと、また来年度の事業費納付金には平成29年度の公費の精算分があること、また平成30年度分の事業費納付金は仮係数と確定計数の算定額に実際には大きな乖離が生じたことなど不確定要素が多く、事業費納付金の確定額がどのようになるか現時点ではまだ見込めておりません。 続いて、国保税の税率についてのご質問をいただいております。県は被保険者数、所得水準、医療費水準に基づく市町村の事業費納付金と市町村が事業費納付金を集めるために必要な市町村標準保険料率を算定し、市町村はこれを参考に実際の保険税率を決定することになります。また、全国的に保険料水準統一の動きがあり、既に大阪府では平成30年度から保険料が統一をされてきております。長野県におきましても本年度から保険料水準統一についての検討を始める予定と聞いております。 今後保険料水準が統一される場合、現時点での国保事業運営方針によると、負担能力に応じた所得割などの応能割で49%、全ての被保険者が負担する均等割などの応益割で51%、こういった割合で保険料率となることが予想されます。現在の上田市の税率は、応能割が53%、応益割が47%と逆転をしています。現状のまま統一された場合、低所得者の負担が結果的に大きく増加することが考えられます。このため、国保の保険料水準の統一に備えて、国保運営方針に基づく応能、応益割合による保険料率に近づける検討もする必要があると考えております。来年度の税率検討に当たっては、これらの情勢を視野に入れ、基金の繰り入れや所得割などの応能割、均等割など応益割のあり方を総合的に判断し、国保運営協議会に諮り協議をしてまいります。 今後のスケジュールとしまして、1月の確定係数による事業費納付金が示されたところで国保運営協議会へ諮問を行い、税率改定が必要となる場合には3月定例会に国保税条例の改正案を上程させていただく予定でございます。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。国保の滞納者の対応だけについて私は申し上げているのではありませんので、それを貴重なSOSと、国保を初めいろんな滞納についてそういうことで連携をして福祉課につないでいく、そういう取り組み全庁的に考えていただきたいということを申し上げたところであります。これについては答弁求めておりませんので、結構でございます。 それと、先ほどの保険料の問題でございますが、上田市は応能割53%、応益割47%の状態、これを変えていかなければ県のほうで逆転をするという方針、統一に向けてというお話でありますが、激変緩和といいますか、本当に応益割ふえてまいりますと低所得者の方の負担がふえるわけですので、慎重にご検討をお願いしたいと思います。 それでは、次に生活保護について質問いたします。生活保護制度は憲法第25条の生存権を守る最後のとりでであり、保護費の水準は国民生活の最低基準を具体化したものとされております。2010年代初めから生活保護を不正受給だらけのように描いて制度や利用者を攻撃するバッシングが繰り返され、安倍政権発足後生活保護制度の改悪が行われております。2017年1月、小田原市の生活保護担当課が利用者をおどしつける文句を書き連ねたジャンパーを制作し、業務中職員が着用していたことが大問題となりました。生活保護の不正受給は支給総額の0.5%前後にすぎず、その中には高校生がアルバイトを始めたのを届け出ていなかったなどの事例もあり、悪質なものは少数と言われております。生活保護バッシングの中、利用者が追い込まれて精神疾患が悪化したり、生活に困窮する人が申請をためらい、孤立死するなどの事件も起きております。 日本の生活保護で早急に解決が迫られているのは、収入が最低生活費未満の人が生活保護を受けている割合、捕捉率といいますけれども、それが余りに低いという問題です。日本の生活保護利用率は国民全体の1.6%、フランスは5.7%、イギリスは9.3%、ドイツは9.7%です。日本の捕捉率は2割程度と言われておりますが、ドイツは6割、イギリスは5から6割、フランスは9割です。日本の捕捉率が低い理由は、生活保護は恥との意識や制度が正確に知らされていないこと、市役所などの窓口に行っても間違った説明で追い返される水際作戦が横行していることが指摘されております。 そこで、捕捉率に対する市の見解を伺います。また、上田市が生活保護制度の運営をどのような姿勢で担っているか伺います。 以上で4問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 生活保護制度についてのご質問でございます。 生活保護制度は、日本国憲法第25条に規定される権利に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としております。 この生活保護制度が適切に運用されているか否かを見る上で一つの指標とされる捕捉率についてご質問をいただいております。捕捉率とは、生活保護法の定める最低生活費の基準を下回る経済状態にある世帯のうち、どの程度の世帯が現実に生活保護制度の適用を受けているか、こういった数字かというふうに認識をしております。この捕捉率につきましては、厚生労働省が全国消費実態調査や国民生活基礎調査などに基づいて推計を行ったものなどがございますが、扶養義務者である子供など親族の経済状況、あるいはその子供たちからの実際の支援があるかどうかなどについては把握が困難であるため、こういった条件を考慮はしていません。あくまで得られたデータの範囲内で推計したものであると認識をしているところでございます。 こうした推計、現実をどこまで反映しているか、非常に判断難しいわけですけれども、現在生活保護の受給をしていなくても保護の基準を満たす方がいるとすれば、こうした方々には制度を知っていただくことが大切であると考えております。 制度を担う上田市としての姿勢についてですが、私自身ケースワーカーの経験もございます。水際作戦などという言葉を上司や先輩から聞いたこともありませんし、またそうした指導、助言を後輩にしたこともございません。生活保護行政を行う上で生活保護の申請を希望する方々の申請権を侵害しないことにつきましては、これまでにも国や県から再三にわたって指導もされています。当市ではこれらの指導に沿って申請権の侵害を行うことのないよう窓口対応等を徹底してまいりました。 収入や世帯構成をお聞きする中で、保護の要件に該当しないと思われる方であっても、保護の申請希望があればその場で申請書類を交付しており、また申請に至らなかった方に対しても申請はいつでもできる旨を伝えており、その結果再度来所された際に申請に至り保護が適用になったケース、こういったものも多くあるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。上田市では申請権を侵害しないように対応していただいているということでよかったと思っております。全国的な傾向を申し上げておりますので、誤解のないようにお願いいたします。 生活保護行政が、しかし小田原市で発生した問題や、また一般的に言われている、先ほど申し上げた水際作戦など不適切な運用や人権侵害を生んでいる、その原因の一つは全国的に生活保護の実施体制が非常に脆弱であることと言われております。福祉事務所のケースワーカーの仕事は自治体の通常の一般事務とは大きく異なります。小田原市が問題発覚後行った職員アンケートでは、通常業務が忙しく研修に参加できない、担当するケースが多くいつまでも仕事が終わらない、何も知識がないまま仕事に当たらなくてはならない、またケースワーカーの仕事は他の部署に理解されていないと感じる、役所全職員のアンケートでは、大多数の方が生活支援課に配属されたくないと思っているというようなマイナスイメージの多いものでした。夜間も休日も対応しなければならないという大変さは容易に想像できることです。職員の能力が十分に発揮でき、安心して働けることは生活保護利用者が安心して生活できることにつながります。全国的なこととして4つの問題点が指摘されておりますが、それぞれについて上田市の現状と対策はどうか伺います。 1点目は、職員の質の担保ができていないことです。社会福祉法では福祉事務所には社会福祉主事を置くとしていますが、任用資格がない職員が4分の1、社会福祉士は1割、専門的な素養のある職員が配置されていないことです。2点目は、研修体制の不備です。生活保護の業務は医療、介護、障害、年金など他の法律や制度に精通していること、面接技法や福祉的視点を身につけていることが求められますが、研修体制が十分でないこと。3点目は、異動年限が短いことです。全国的な平均で3年程度で異動しています。専門性があり、経験が求められる業務でありながら、経験が蓄積されず、制度について正しい理解ができないままの体制が続くことになってしまいかねません。4点目は、生活保護の職員数が足りていないことです。都市部では担当標準数は80世帯とされていますが、守っていない自治体が多く、過重労働でメンタルヘルス不全を起こす職員が多いということです。 以上申し上げましたことは全国的に指摘をされていることであります。上田市における現状と対策をお伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 生活保護の実施体制についてのご質問をいただきました。 最初に、ケースワーカーは福祉の最前線を担っているという矜持を持って日々の業務に当たっていることを申し上げて、具体的なことについてお答えしてまいりたいと思います。 生活保護行政を担当するケースワーカーには、社会福祉法第19条により、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意があることが求められており、その実務を行うに当たっては、社会福祉の専門的な知識、技能のほか、さまざまな知識が求められているところでございます。生活保護行政を担う職員につきましては、このような視点に立って社会福祉主事の資格を有する者の中から適任者を配置するよう努めているところでございます。具体的には、大学で生活保護を含め福祉全般を勉強し、社会福祉士の資格を有する職員、他の自治体において福祉部門を経験している中途採用の職員などがおり、またケースワーカーの指導、監督を行う課長補佐、係長級の職員でありますが、査察指導員という役割の職員にはケースワーカー経験者を配置しています。 続いて、研修体制の不備についてのご質問でございます。職場外研修といたしまして、県や国のさまざまな研修や社会福祉士の通信教育などを受講させて知識の向上等に努めております。また、何よりも職場内研修が重要であるというふうに考えておりまして、週2回火曜日と木曜日の業務終了後に開催するケース診断会議がその役割を果たしているところでございます。この会議では、福祉事務所として各生活保護受給者の支援方針を決定するため、査察指導員、ケースワーカー全員が参加して関係法令や関係通知等を確認しながら徹底的に議論を重ねております。 職員の在籍期間の問題でございます。現時点では平均して4年前後という数字が出ておりますが、2年目になれば先ほどのような職場内研修も通じまして基本的にあらゆる状況を経験してきているという中で、また特に若手職員は吸収も速いため、的確な対応ができるようになっていると考えております。また、生活保護を受給している方々への支援につきましては、ベテラン職員が経験の浅い職員の相談に応じることで、在籍期間が短い職員でもケースワーカー自身が孤立することなく対応ができる仕組みをとっているところでございます。 また、担当職員の不足につきましてですが、先ほど議員からもお話がありましたとおり、職員1人当たり80世帯が配置基準となっております。上田市では現在9人のケースワーカーがおよそ640世帯を担当しております。したがって、基準を満たしているところであるというふうに考えております。 以上、全般を通しまして上田市の実施体制、決して脆弱ではないというふうに認識をしているところでございますので、ご理解とご協力をお願いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。体制は脆弱ではないというお答えでよかったと思いますけれども、特殊部門だと思います、市の職員さんの中では。この職場への全職員の理解、一層必要ではないかと思っているところであります。 それでは、次の質問です。安倍政権は多くの反対を押し切りましてことし10月から生活保護基準の引き下げを行いました。今回の引き下げは3年かけて生活扶助基準を平均で1.8%、最大5%、ひとり親世帯を対象とする母子加算を平均で月額2万1,000円から1万7,000円へ、3歳未満の児童養育費加算を月額1万5,000円から1万円へと引き下げる内容です。今回の見直しは2013年に続く大幅な引き下げで、加算の減額は子供の貧困対策にも逆行するものです。捕捉率が低い、こういう問題を放置したまま所得の低い一般世帯と比較して扶助基準を引き下げればますます格差が拡大し、貧困世帯がふえます。生活保護は憲法第25条に基づく国民の権利であり、生活保護基準は人間らしい暮らしの物差しです。非課税基準や最低賃金、年金額、就学援助や各種減免の目安とされ、国民生活を支える基準となっております。 上田市としてできるだけ生活保護基準の引き下げに影響されない施策を講じるべきです。例えば、就学援助制度は引き下げによって対象外となる児童生徒が出ないように配慮する必要があります。 質問は、上田市において10月からの生活保護基準引き下げにより影響を受けた世帯数と影響額を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 本年10月の生活保護基準見直しについての影響についてのご質問でございます。 本年9月から10月にかけて生活保護を継続して適用している世帯525世帯について調査をしましたところ、増加した世帯が223世帯、減少した世帯が302世帯ございました。増加した223世帯のうち132世帯は増加額が1,000円未満ですが、最も増加額が大きかった世帯は子供4人の母子世帯で2万60円となっております。また、減少した302世帯のうち293世帯は減少額が1,000円未満で、最も減少額が大きかった世帯は両親と子供4人の世帯で、減少額は6,130円でした。全体としては増加した世帯も減少した世帯もある、こういった状況になっております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) 影響額は余り多くないというご答弁かと思いますけれども、しかしもともと収入が少ない皆さんにとっては大きな金額になるわけです。国の制度について、今裁判も起こしている、そういう状況もお伝えをしておきます。 先ほど申し上げました生活保護なめるなジャンパー事件、小田原市は問題発覚後、異例というほど迅速かつ誠実な対応を行いました。生活保護行政のあり方検討会の委員に弁護士と元利用者も登用し、1カ月という短期間の集中的な議論で報告書が取りまとめられました。生活保護のホームページとしおりも大幅に改善されました。しおりは全ての漢字にルビを振り、職員手づくりのイラスト入りの正確でわかりやすく、親しみやすいものとなっております。そして、そのしおりがホームページで見られるようになっております。上田市のホームページ、しおりも見ましたけれども、改善の余地が多くあると感じました。ホームページでしおりは見ることができません。また、福祉課の窓口にも設置しておりません。ホームページに生活保護制度が憲法第25条に基づく権利であることを明記しておりません。明記すべきではないでしょうか。また、生活保護を受ける前の努力を表記しておりますが、利用抑制につながらないよう正確な内容で明記すべきではないでしょうか。また、ホームページには生活保護のしおりを見えるようにするべきだと考えます。生活保護のしおりの文字も大きくし、漢字にはルビを振るなどわかりやすい表記とするべきではないでしょうか。正確でわかりやすくするとともに福祉課の窓口に設置すべき、いろいろなしおりは各窓口に置いてありますので、このことについても同じように取り組むべきではないかと考えます。 以上申し上げて、質問を終わります。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 最初に、生活保護のホームページに関するご質問でございます。生活保護は実際には大変複雑な制度であり、また文化的な最低限度の生活の維持ということで、内容についてもご理解いただくため、面談での相談が最も重要なことであると考えています。そのため、ホームページは現在は基本的な事項を記載しているところでございます。相談に見えた方にお渡しする生活保護の説明書きである生活保護のしおりには、憲法第25条に基づく権利であることを冒頭に記載しているところでございます。そのほか、ホームページにつきましてはいろんなご意見もあると思います。今後の改善等努めてまいりたいと考えております。 また、生活保護のしおりにつきましても、現在は相談に見えた方に項目ごとに読み上げて丁寧なご説明を心がけてご理解をいただいております。こちらにつきましてもホームページと同様、改善に努めてまいりたいと思います。また、窓口配置につきましては、相談に訪れる方の実情を見ながら、必要性も含めて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 古市議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時41分   休憩                       ◇                                午後 4時00分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(7)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第15号、市政について、金子議員の質問を許します。金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 本日最後の質問になりますが、よろしくお願いいたします。通告に従い質問いたします。 上田市は全国有数の雨が少ない地帯で、晴天率が高く、昼夜での気温の日較差が大きく典型的な内陸性気候のために、おいしいお米、甘い果実、色鮮やかな花などの生産に向いており、その農産物を加工した特産品が多くあり、みそや豆腐を初めお酒、そばなど味や質にこだわった逸品ばかりですと上田市のホームページにも記載されております。市内各地にそれぞれの農産物、特産品があるが、姉妹都市や上田市にかかわりのある土地での農産物の販売についてお聞きいたします。 まず、現在主に商工課、観光課、農産物マーケティング推進室において姉妹都市等で物産展に参加していると思うが、各都市への参加目的は何か、その成果はどうか伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 当市では市、信州上田観光協会、農産物生産者等関係機関による姉妹都市等における観光物産展実行委員会などにおいて姉妹都市等との交流を図るとともに、信州上田の農産物や特産品、名産品の販売を通じ上田市のPR、商品の販路開拓や販路拡大、上田市への誘客や都市農村交流の推進など、交流人口の増などを目的といたしまして姉妹都市等への物産展に参加しておるところでございます。 例えば、農林部におきましては、市内農産物の一番の旬の季節でありますこの秋を中心に、実行委員会が主体となる物産展への参加を含めまして今年度は24カ所への参加を計画し、既に19カ所へ参加してきたところでございます。大河ドラマ「真田丸」の効果もございまして、物産展での上田市ののぼりを見て足をとめてくださるお客様や毎回物産展を楽しみにしていると声をかけていただくお客様など、物販を通じまして信州上田の知名度が上がっていることも肌で感じているところでございます。 続きまして、成果でございますが、農産物の販路開拓及び販路拡大を例に申し上げますと、今年度の姉妹都市等へのリンゴのあっせん販売が平成28年度から約2倍に伸びておりまして、合計で約600万円を見込んでおるところでございます。ご承知のとおり、昨年度はひょう害果販売対策の特別な年度であって、災害支援ということもあり多くの都市におきまして特別な販売の機会をいただくことができましたので、単純な比較はできませんが、これまで継続的にリンゴのあっせん販売をしていただいている姉妹都市等に限定いたしますと、昨年度から約1.2倍の伸びとなっております。これらの数字からも物産展への参加を契機とした農産物の販路開拓及び販路拡大の成果が出つつあるものと考えております。 さらに、ひょう害果販売対策をきっかけといたしまして、姉妹都市等にございます直売所などの小売店での常時販売や姉妹都市等の学校給食における上田産食材の納入につきましても、JA信州うえだと協力、連携のもとに、流通面での課題などを解決しつつ、実現可能な状況になってきたものもございます。 また、上田市への誘客や都市農村交流の推進など交流人口の増につきましては、本年7月に所沢市と産業交流に関するフレンドシップ協定が締結できまして、農産物の販売のみならず、商工観光面も含めまして今後の広がりに期待できるものと考えてございます。さらに、人口130万を誇りますさいたま市が進める東日本連携推進協議会との連携が深まっていることなど、今後につながる新たな取り組みとして発展してきており、このことも一つの成果と考えてございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁いただきました。「真田丸」効果も相まって上田の名前がどんどん広がり、そして果実等々においても大きな成果が上がっている、そんな答弁をいただきました。 昨年度は姉妹都市等にひょう害果の販売をしていただきましたが、姉妹都市との協力関係を築けたのは、上田市が今日まできずなや縁を大切に育んできた成果が実を結んだと考えておりますが、今後の農産物の販路拡大については、姉妹都市等でひょう害果を販売した昨年の経験を生かして今後どのようにマーケティングを行っていくのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) まず、市外への農産物のマーケティングの方向性につきましては、1つ目といたしまして、上田市の農産物等のプロモーション、2つ目といたしまして、売れる仕組みづくりへの支援と考えておりまして、これらを行政が持つ公益性、信用性、情報力、各機関とのつながりという強みを生かしまして目標であります上田市のブランド化につなげていくという戦略を描いておるところでございます。全国にはあふれんばかりの農産物や加工品がある中で上田産のものを選んでいただくために、例えば関西圏では信州上田といえばリンゴというようにイメージが浸透しつつあることから、イメージ戦略も取り入れながら、一層の販売強化につながる取り組みや上田市に足を運んでいただく方策を練りながら、信州上田ブランドをさらに浸透させるため、上田市の魅力を一層発信してまいりたいと考えております。 また、昨年度からの経験を生かしまして、きずなやいただいたご縁を大切にしたマーケティングを継続して進め、姉妹都市等との協力、連携をより広く、より深くしながら上田ファンを姉妹都市等からふやしていきたいと考えております。 さらに、その広がりや深みを関係団体や企業などにも広げてまいりたいと考えておりまして、具体的には姉妹都市等を介しました農産物等のPRや販路の開拓、関係団体同士の交流の促進、物産展への参加にかかわる仕組みの再構築、こういったことを研究いたしまして、その成果につきましても民と官が広く享受できるようにすることで売れる仕組みづくりへの支援をしてまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁いただきました。すぐれた農産物によってますます今まで以上のきずなや縁を築いていただき、上田を売り出していっていただきたいと思います。 次の質問に移ります。上田市の運営を任されている市職員の皆さんの職員研修についてお聞きいたします。日々の業務で担当課に応じた専門知識を学び、身につけることは当然のことでありますが、配属部署にかかわらず市職員の皆さんには対人能力にすぐれた人間性が要求されると考えます。そこで、日ごろ開催されている職員研修で外部講師による講話やワークショップとは別に、会議室以外で実務的であり、実地的な研修はどのように行われているのか、またどのような職員像を目指して実施しているのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 職員研修についてお尋ねをいただきました。 人材の育成に当たりましては、上田市人材育成基本計画に掲げます4つの職員像、まず1つ目に、奉仕の精神を持ち、市民に信頼され、ともに行動する職員、2つ目に、広い視野で課題を発見し、解決に向けて行動する職員、3つ目に、地域に働きかけ、地域とともに考え、行動する職員、4つ目に、自律した行政のプロとして、常に成長を目指す職員、この4つの職員像を目指して人材の育成に取り組んでいるところでございます。 こうした人材の育成のため職員研修の実施に当たりましては、毎年職員研修計画を策定して、職場内研修、職場外研修、自主研修、この3つの体系に沿って計画的に実施をしております。研修場所といたしましては、日常の業務を通じ職員の育成を行う職場内研修、いわゆるOJT、これにおいては各職場で実施をするとともに、各職位の昇任時に行う階層別研修や人事評価研修、接遇研修などの職員として共通する知識の習得や一定数の職員が受講する研修につきましては、外部から講師等を招いて庁内で実施しているところであります。 これ以外の専門的知識や実務的な技能等の習得につきましては、自治大学校、市町村アカデミー、全国建設研修センターなどの全国的な研修機関での受講や、各業務に必要な個別的知識の習得におきましては、民間研修機関が開催する各種講座への参加によって必要な知識の習得を図っているところでございます。また、長期的な研修といったところでは、国、県などの他団体への派遣研修を行いまして、関係機関からの情報収集や効率的な業務手法の習得、人脈づくりなどに努めているところでございます。 研修の参加に当たりましては、原則公募により行いまして、意欲ある職員がみずから研修に参加できる機会の提供に配慮しているところでありますが、今後もさまざまな機関や機会を積極的に活用いたしまして、先ほど申し上げました4つの職員像の実現を目指し職員の育成に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 今日開催されている職員研修の一端をお聞きしましたが、市職員の誰にも必要とされる対人能力、いわゆるコミュニケーション能力にすぐれていることが絶対的に必要とされます。そんなコミュニケーション能力を高めるために、市職員の皆さんに全国各地で開催されている物産展等で物販に携わってもらったらと思います。今まで姉妹都市等と築いてきたきずなや縁を持続しながら物産展で物販を経験することは上田市を代表する立場で物販することから、担当課職員と同じ責任感を持っての行動が求められるとともに、お客様と対面で市のPRや魅力を伝えることから知識の研さんや能力の向上が期待できることから、物産展での物販を経験することは理想的な職員像に近づくために効果的な方法と考えるが、職員研修として実施する考えはあるのでしょうか。特に新規採用職員研修として実施することは非常に効果的と思えるが、新規採用職員研修で実施する考えはあるのか伺います。 ○議長(小林隆利君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 姉妹都市等の物産展での販売の職員研修についてのお尋ねでございます。 接遇は行政職員に求められる最も基本的で重要な資質でありますことから、上田市人材育成基本計画におきましても職員の基本姿勢としてのおもてなしの心と明るい挨拶で快適な市民サービスを提供する職員を掲げまして職員の育成に努めているところでございます。このような認識のもとで現状におきましても4月の上田城千本桜まつりにおいては、全庁的な対応として職員が会場において観光客のご案内や車両の整理を行うなど、市役所の代表としておもてなしの心を持って観光客をお迎えいたしているところでございます。 また、新規採用職員におきましては、4月の新規採用職員研修の一環といたしまして、毎年観光課の職員とともに上田城に出向いておもてなし体験研修として上田城千本桜まつりにおける観光案内のお手伝いや観光客へのアンケート調査を実施しているところでございます。さらに、4月下旬に開催されます上田真田まつりにおいては、武者行列に参加して、地域の方と一体になってまつりを盛り上げて、市職員としての自覚と意識の高揚を図っているところでございます。 一口に職員と申しましても、上田市の出身者からこれまで上田市にほとんど縁がなかった者までさまざまな人材が毎年採用されております。新規採用職員研修においてこうした経験をすることによって上田市の歴史や風土を理解することはもちろん、地域や観光客の方との触れ合いが職員自身の成長にも大きな影響を与える貴重な機会であると認識しているところでございます。 ご提案いただきました姉妹都市等における物産展での物販につきましても、現地において上田市の代表としてお客様をお迎えするものでありまして、上田市内でのおもてなし以上に職員の責任感や資質の向上に資するものであるというふうに思われ、さらには姉妹都市とのつながりや歴史、文化を再認識できる大変貴重な経験にもなると考えます。今後、新規採用職員研修も含めて職員研修の一環として実施ができますよう、関係部局と調整の上、前向きに検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁いただきました。上田城千本桜まつり等々で実践をされている件、またさまざまな課題、問題点はあろうかと思われますが、できるだけ多くの立場の市職員の皆さんに物産展での物販を経験していただき、上田市の魅力を伝えるプレゼンターとして活躍していただくとともに、ますます魅力的な市職員になっていただくことに期待いたします。 今から35年前の夏、土屋市長と私は長野県が主催する信州青年希望の船に乗船をして知り合いました。東シナ海の洋上で船のデッキに照りつける灼熱の太陽のもとで、はたまた日中でも日の光が差し込まない船底のキャビンで昼夜を徹して2週間長野県内各地から集まったメンバーと長野県の未来を語りながら研修をいたしました。二十だった私には信州青年希望の船への乗船がきっかけとなって地域のことを考える端緒になりました。当時の上田市長は上田市の職員として信州青年希望の船に乗船されていましたので、机上ではなく実体験を伴う研修のすばらしさを経験して今日を迎えられていると思います。上田市長が選挙公約に掲げられた上田再構築、チーム上田を目指す理想の職員像の土台を築くために、新規採用職員研修に込めた土屋市長の思いをお聞きします。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 新規採用職員研修に関しまして質問をいただきました。 現在の社会情勢につきましては、少子高齢化とか、あるいは人口減少等言われておりますが、限られた人員で適切な市民サービスを提供していくためには、市役所の組織の力、そして何よりも組織を構成している職員一人一人の力が欠かせないということであります。限られた経営資源である職員一人一人が能力を高め、市民参加と協働のもと、チーム上田の一員として成長していくことが上田市政を推進する大変大きな力になると考えております。 このような考えのもと、先ほど部長からの答弁で申し上げました4つの職員像の実現を目指し人材育成に取り組んでいるところであります。特に新規採用職員研修は、市職員として採用され最初に受ける研修であり、今後の市職員としての意識づけ、さらには職員としての人格形成において非常に重要な位置づけであります。そのように認識しているところであります。 私自身の経験も踏まえて、社会人としてのスタートでありました市職員として受講いたしました新規採用職員研修は、職員としての基礎を築く上で大変貴重な場であったと改めて振り返っているところであります。約2週間の新規採用職員研修では、まず理事者の考えを職員に伝えることが重要であります。毎年市長及び副市長による講話を行い、私自身も4月に市長就任後早速新規採用職員を前に市長としての私の思いを語ったところでございます。職員へは公約に掲げました上田再構築プラン、そして特に最優先と位置づけました4つの課題について私の考えを語るとともに、市民力と共感力を持って、つながりとありがとうのまちづくりを行うためには、一人一人が市民から愛される市役所となろうと、そしてまた職員が幸せ創造仕掛け人となろうということを述べたわけでありまして、その思いに立って業務に取り組んでいくことを皆様方に語ったところであります。 新規採用職員は研修受講後は各職場の最前線で活躍することが期待されている職員であります。そのためにはまず職員として基本的な知識、能力の習得を図ることはもちろんでありますが、4つの職員像の実現を目指し、みずから意欲を持って成長していってほしいと考えているところであります。好機を逃さず、「鉄は熱いうちに打て」であります。意欲を持って市に入庁してきた感性豊かな若い職員の初めての研修の場である新規採用職員研修は、その職員の貴重な人生にとっても大変重要な場であると思いますし、また職員としての礎を築く重要な場であります。今後も研修内容の充実に努めるとともに、未来の上田市を担う職員の育成に尽力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 以上です。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 土屋市長の新規採用職員に期待する熱き思いをお聞きいたしました。これからも土屋市長の力強いリーダーシップに大いに期待いたします。 次の質問に移ります。続きまして、上田市を代表するスポーツイベントである上田古戦場ハーフマラソン大会が今後も継続して開催されることを望んでお尋ねいたします。第32回を数える歴史ある上田古戦場ハーフマラソン大会ですが、現在の会場になっております県営上田球場は1996年に完成ですが、現在の県営上田球場を使用しての開催前はどのような大会だったのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 上田古戦場ハーフマラソン大会についてご質問いただきました。 市民の皆様の健康増進と生涯スポーツの振興を目的として昭和62年に第1回大会を開催しました上田古戦場ハーフマラソン大会でございますが、本年の第32回大会まで延べ5万人以上のランナーに参加をいただいております。現在は議員ご指摘の上田原合戦の地に位置します県営上田野球場を主会場として開催しておりますが、これまでの大会の歴史を振り返りますと、第1回から第7回大会までは旧上田市民会館をスタート地点として、また上田城跡公園陸上競技場をゴール地点に設定するなど、上田城跡公園周辺において開催をしておりました。続く第8回から第13回大会までにつきましては、開通間もない上信越自動車道をコースに開催した第10回の記念大会を除いて、会場を塩田平に移しまして、長野大学を発着地点とするコースで実施をしたところでございます。第14回から第19回大会までは再び会場を上田城跡公園周辺に戻しまして、その後第20回大会以降は随時部分的な変更はございますものの、現在のコースを基本に実施しております。 この大会の内容につきましても、魅力向上を図るためさまざまな取り組みを行ってきております。第22回大会までは市民の皆様を中心に参加いただいていたところでございますが、第23回大会からハーフマラソン種目と10キロ種目を日本陸上競技連盟の公認コースとしたほか、種目設定についてもその都度修正を加えてきております。また、アスリートとの交流の機会としてゲストランナーの招聘も行うなど、ビギナーから競技志向の方まで、そして市内外、県外からも幅広くご参加いただけるような工夫を取り入れ、認知度の向上を図ってまいったところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁いただきました。これまでの開催で会場の変更だけでなく、さまざまな要因で開催要綱を変更しながら現在に至っていることがわかりました。今後の上田古戦場ハーフマラソン大会を発展的に継続させる上で、NHK大河ドラマ「真田丸」効果で現在でも上田城に訪れる観光客も多く、本年も紅葉の上田城はにぎわっておりましたし、JR上田駅前から上田城や柳町界隈を散策する観光客の姿を見ると、商店街が活気づいて見えます。11月に開催されます県縦断駅伝でも上田城前を通過し、上田市庁舎前でたすきリレーされ、商店街を駆け抜ける選手たちに沿道から声援が送られるにぎわいがありますが、現在開催されているコースは田園地帯を中心に走るコースになっております。まちのにぎわい創出のためにも上田城や商店街を走り抜けるコースに変更できないのか伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 上田城跡公園を活用したコースとのご提案でございますが、まず現在の会場に変更した経緯といたしまして、中心市街地の混雑の緩和のほか、ランナーの皆様に地域を代表する景観でありますのどかな田園風景や秋の装いを始めた山々をごらんいただきながら、アップダウンが少なく走りやすいコースを楽しんでいただきたいという思いがございます。また、歴史的にも北信濃の戦国大名村上義清と甲斐の武田信玄による上田原合戦の激戦地でありましたことから、上田古戦場ハーフマラソンの名前にちなんで開催をしているところでございまして、参加者の皆様にも好評を得ているところでございます。 一方では、現在のコースでの課題もございます。これは、コースの一部で国道を横切る部分がございまして、ランナー通過の際の交通渋滞について上田警察署から改善の提案が出されているものでございます。議員ご提案の長野県縦断駅伝競走大会につきましては、ご質問のとおり中心市街地もコースとなっておりますが、これは参加チームが現在15チームでありまして、繰り上げスタートもありますことから、交通渋滞等の影響が少なく、例えば中継地点であります上田市役所前の道路につきましては、選手通過時間は15分程度でございます。一方、上田古戦場ハーフマラソンでは年齢も経験も異なるさまざまな選手が参加されておりまして、ハーフマラソン種目で申し上げますと700名を超えるランナーがそれぞれのペースで競技を楽しまれております。比較的交通量の少ない道路をコースとしております上田古戦場ハーフマラソンにおいても、先ほど申し上げましたように、交通渋滞が生じていることもございまして、秋の観光シーズンに上田を訪れる観光客や周辺住民の皆様への影響等を考慮いたしますと、中心市街地であります上田城跡公園周辺での実施は難しいものと考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁いただきました。現状では長時間に及ぶ道路占用許可が警察から得られないこと等々、大会参加者に魅力的なコースだと評価が得られて人気ある大会として今後も継続して開催できるように、大会関係者の新たな発想にも期待するところであります。 スポーツイベントだけでなく、さまざまなイベント開催日は年間を通じてある程度開催日が予想できますし、本年度開催日に合わせて来年の予定を立てるために、市内で大きなイベントを避けて計画されるのが通常だと思われますし、大きなイベントと日程が重なってしまうことにより予定を変更せざるを得なかったりするのですが、最近は上田古戦場ハーフマラソン大会の開催日が定まらずにいるために、自治会のイベントなどでも開催日の決定に苦慮していると聞こえてきます。第29回大会、2015年大会は10月4日の第1日曜日、第30回大会、2016年大会は10月2日の第1日曜日開催、第31回大会、2017年大会は10月8日の第2日曜日開催、本年第32回大会、2018年大会は10月7日の第1日曜日開催でしたが、直近の大会の開催日の違いと参加者数の分析をどのように考察しているのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 大会開催日と参加者数に関する分析と考察についてでございますが、まず開催日に関しましては、第13回大会までは晴天率の高い10月10日の体育の日に固定して開催しておりまして、以降は各年度の行事や小学校の運動会の日程、またコース周辺の企業の営業日なども踏まえてその都度決定してまいりました。 次に、参加者数の推移につきまして、第5回大会までは誕生間もない大会ということで新鮮さや話題性のほか、県内の大会が少なかったことから多くの参加をいただきまして、第4回大会の3,459名がこれまでの最多参加者数となっております。第6回大会以降は徐々に減少をし始めて、第11回から第21回大会はいずれも1,000名を下回る結果となりましたが、一部種目を日本陸上競技連盟の公認コースに位置づけた第23回大会をきっかけに、また東京マラソンを火つけ役としたマラソンブームなどをきっかけとして増加に転じまして、第26回大会では2,777名となりました。これ以降は緩やかな減少が続いて、本年度の第32回大会は2,111名の参加という状況でございます。 この開催日の変遷と参加者数の推移を比べますと、直接的な相関関係は不明ではございますが、近年の状況で申し上げますと、昨年から始まりました松本マラソンを初めとして現在県内各地でフルマラソン、ハーフマラソンなど多くの大会が行われておりまして、特に10月は秋のスポーツシーズンとして集中をしておりますことから、参加者が分散してしまっているものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁いただきました。昨年から開催されている松本マラソン大会が影響して、昨年も本年も、そして来年も上田古戦場ハーフマラソン大会の開催日決定に苦慮しているとお聞きしております。いまだに決まっていない来年の開催日決定も含めて、今後の上田古戦場ハーフマラソン大会の開催日決定をどのように決定するのか、また他の類似イベントをしのぐ上田古戦場ハーフマラソン大会になるように魅力を高めていくのかを伺い、私からの最後の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 来年度の上田古戦場ハーフマラソンの開催日につきましては、引き続き過去の開催実績やともしびの里駅伝など市内の各イベントの日程のほか、同じ10月に開催されます県内の各マラソン大会等の日程を踏まえて検討して、ランナーの参加機会の確保を図ってまいりたいと考えております。特に佐久市ハーフマラソンと上田古戦場ハーフマラソンは公式審判員の確保という面から、各地域陸上競技協会の協力体制のもと実施されておりまして、重複した日程での開催が困難なことから調整が必要となってまいります。 また、これまでの実績といたしますと、県外から参加されます皆様に実りの秋を迎える上田の地を存分に楽しんでいただけるよう、体育の日を含めた3連休の真ん中の日曜日において開催をしている年度が多いことから、来年の暦で申し上げますと、10月13日の日曜日がこの日程に該当することとなりまして、現在のところ開催日として適しているものと考えております。県外のランナーの皆様にはぜひ大会の前日に上田にお越しいただいて、コースの試走など当日に向けての準備を万全にされて、大会の翌日はゆっくりと上田の名所を観光いただければと期待するところでございます。 いずれにいたしましても、コース、日程ともに最終的な決定機関は主催者であります上田古戦場ハーフマラソン実行委員会でありますことから、上田市も事務局として上田陸上競技協会とも協力をする中で上田の代表的なスポーツイベントである大会を一層参加者の満足度の高い魅力ある大会とするべく、実行委員会と協力して取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員の質問が終わりました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小林隆利君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回はあす5日午前9時半から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。          午後 4時42分   延会...